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ランニングハイからの転落

 私のジョギングの始まりと終わり。

 

 自宅から車で十分くらいのところに、かなりしっかりしたジョギングコースのある公園があった。私は親に車を借りて、そこまで走りに行った。


 最初は全然走れなくて、1kmや2kmでバテた。

 なんじゃこりゃ、WiiFItウィーフィットと全然違うではないか!!

 当たり前と言えば当たり前。その場で足踏みしてるようなのと、実際に地面を蹴りだすのでは足にかかる負荷が全然違う。

 

 それでも毎日走っていたら、かなりのスピードで心肺機能が向上(?)した。

 2kmが3kmに、3kmが4kmに。そして平均5~6km走れるようにまで、私は進化した。

 調子がいい日は10km走った。


 気分は「いやっほ~~~~~~~~い!!!!」である。

 

 トロトロ歩く人をさらっと抜かしながら、自分と同じようなDEBUを見かけると、心の中で松岡修造に変身した。


「HEY! そこのDEBU! そんなにちんたら歩いてたって痩せないZE☆」


……と、背中をバシンと叩きたい気持ちになった(この松岡修造は私の完全なるイメージです)


 私はハマると突き進むので、走るためのストレッチや筋トレも真面目にこなした。

 結果的に、ザ・標準体重というところまで落ちた。55キロくらい。そうなってくると体力もついて、4km走った後にバイトの接客を6時間こなすとかできるようになった。接客ということで見た目にも気を遣うようになり、美容院でパーマをかけ、少し茶色く染めて、シニヨンを作ってみたり編み込みヘアーにして見たりして、人生ではじめて、自分で可愛いと思えるようになった。後に夫となる彼氏と出会うのもこの頃だ。


 

 そうして10か月あまり――。

  

 体調が悪い日が増えた。夏になると「熱中症か!?」と思う症状も出てきた。身体が重くて(体重的な意味ではなく)、起こせない。とても働けるとは思えなくて、私は無遅刻無欠席でやってきたバイトを時々休むようになり、精神的にも不安定になった。ランニングブームは去っていた(はやい)

 

 バイトは結局退職することになり、それにより父親との関係が悪化し、身一つ(+携帯電話)で家を飛び出すことになるのだが、最後の期間はハンストをしてたことにより、多分、標準より何キロかさらに落ちていたと思う。友達には「やつれたね……」と言われた。やつれたなんて、人生で初めて言われたぞ。

 

 その後数年は両親との関係が最悪であり、思い悩んでいた私は、彼氏の家にずっと引きこもっていた。

 声を出して叫ぶように泣く日も多かった。辛くて辛くて、死ねるものなら死にたくて、けれど死ぬ勇気がない自分を責めた。運動とか、ダイエットとか、そういうことを考えられる状態にないまま時は過ぎ、精神科の薬も飲んでいたことにより体重は少しずつ増えた。それがおよそ三年間続く。体重の詳細は覚えていない。


 三年後、結婚を機に、私の精神状態は段々安定していった。

 もう、私は両親の名字にしばられる人間じゃない。

 「いつまでパラサイトしているんだ」と寄生虫呼ばわりされることもない。

 「死ね」と父に怒鳴られることもない。

 

 夫という私を守ってくれる人ができたと思うと、嬉しさでぽろりと涙が零れるのだった。



話の内容的に暗くなってしまったので、なるべく次の話を早めにUPします。

現在162㎝、83.5kg。

薬変えただけで2.5kg減った。

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