私のコンプレックス
私は今現在、アメーバブログでお絵描きブログを書いている。正確に言うと、お絵描き修行ブログだ。開設日は3月12日なので、2か月と1週間ばかり経ったことになる。
その時は目指す方向性は決めていなくて、漠然と絵が上手い人になりたいと思っていた。三十路を過ぎて数年、生活もあまり大きく変わらなくなり、アップダウンはあるものの、気持ちも段々安定してきた。こういう毎日がきっとこれからも続いていくとなんとなく思ったとき、私は自分のコンプレックスを何とかしようと思った。
1、絵が下手なこと。
2、太っていること。
3、いつか書きたいと思う二次小説があるのに、現状何もしていないこと。
もう少しあったように思うが、とりあえずこれがメインのコンプレックスである。
私が絵が下手だというのは、中学の時にまず思った。写生会や美術の授業でどうしたらいいのかわからない。見たままを描くというのはなんて難しいことだろうか。写生会に選ばれた場所は、確か地元のお寺だったように記憶しているが、寺の門構えやら、瓦やら、龍の彫刻やら、玄人でも苦労するような(シャレではない)ものを、絵の世界で右も左もわからないような子供になぜ強要し、またそれを廊下に張り出すのか理解に苦しむ。
小学生の頃は、漫画家キットなるものを買ったり、コピックを何本か揃えてみたり、Gペンに黒インク、スクリーントーンなどをそろえて気分はなんちゃって漫画家だった。実際漫画も描いてた。それはそれは酷いものを。誤ってインクを自分の学習机にぶちまけて、何をしてもきれいにならず、困ったこともある。その机は未だ実家にある、いいかげん処分して欲しい。
決定的に自分は絵が下手なんだと思ったのは、高校で出会った友達とイラスト付きの交換日記を始めたときだった。彼女の描くものは、大人の芸術だった。対して私の描くものは、子供のらくがきだった。彼女は小さいころから、ポケモンを描きまくっていたと言う。お絵描きとは関係ないが、私の前でショパンの革命を弾いてくれたこともある。私も中学からピアノを習っていたものの、絶対音感とは無縁のちょっと簡単なの弾けます程度の人間だった。耳コピなんてできやしない。
彼女の存在に私は色々と打ちのめされた。彼女は成績も優秀だった。落ちこぼれていた私とは違って。
似ているところと言えば、精神的に不安定なところだった。その後の卒業旅行で、彼女とは考え方が決定的に違うと思う出来事があって友情は決裂してしまったのだが、横のつながりから彼女の近況を聞いたりもする。イラストレーターとしてがんばっているようだ。そう、彼女はプロになったのだった。