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王の住まう城の地下。
今日の魔女は普段より得意顔です。
「鏡よ鏡、見なさい新しい魔法を使えるようになったわ」
「流石です。貴女様ほど偉大な魔女はおりません」
「カボチャを馬車に変えるのよ!」
「はぁ……まぁ良いんじゃないですか」
「さっそく試してくるわ!」
「で、どうでした?」
「ベッチャベチャだわ」
「なんで煮た後のカボチャを選んだんですか」
――――――☆――――――
王の住まう城の地下。
今日もまた魔女は魔法の鏡に問いかけます。
「鏡よ鏡、答えておくれ。世界で一番……二番目に美しいのは誰?」
「大広間の鏡です」
「合点がいったわ」
「あの野郎……俺よりくすんでるくせに大広間……俺の方が綺麗なのに」
「激しい嫉妬を感じるわ。そんなこと考えてるから地下送りなのよ」
「――本日の営業は終了しました――」
「逃げたわね」