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王の住まう城の地下。
今日の魔女は子犬を抱っこしています。
「鏡よ鏡、ご覧なさい」
「子犬ですね」
「そうよ子犬よ。この子で犬神をつくろうと思ってるの」
「ほぉ犬神ですか」
「作り方は簡単よ、さっそく作りましょう。まずはこの犬を頭だけ出して土に埋めるの」
「土にですか。でもここは城の地下で土なんてありませんよ」
「そうね。わざわざ外に出て掘るのも面倒だし、このフカフカのクッションで埋めましょう」
「心地よさそうですね」
「次に目の前に餌を置いて飢えさせるの。ほらクッキーよ」
「なるほど、目の前で見せつけるわけですね」
「もうちょっと近くでも良いかしら、もうちょっと……あっ!」
「食べられちゃいましたね」
「まだクッキーはいっぱいあるわ……あっ!」
「そうこうしてるうちに、残り一枚ですよ」
「まさか七枚あるクッキーの六枚を食べられるなんて迂闊だったわ。しかも残りの一枚は見向きもしない」
「飢えるどころか満腹みたいですね」
(∪-ェ-) スヤァ
「「あっ!」」