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王の住まう城の地下。
今日もまた魔女は魔法の鏡に……鏡?
「鏡よ鏡、答えて……あら、魔法の鏡? あなた鏡面の部分はどうしたの?」
「外してメンテナンスに出してます」
「あらそうなの。それじゃ今のあなたは何と呼べばいいのかしら」
「枠、ですかね」
「魔法の枠ね。質疑応答が可能ならそれでもいいわ。それじゃ改めて。枠よ枠、答えておくれ」
「俺の答えられる範囲内であれば出来うる限りお応えしたい所存ではございますが、なにぶん枠なもので答えられない場合もございますがご了承ください」
「鏡面が無くなると一気に自信喪失するのね。まぁ良いわ。それなら枠よ枠、答えられる範囲内で答えておくれ。世界で一番美しいのは誰?」
「……俺、ですかねぇ」
「若干の揺らぎを見せつつもやっぱり崩れないわね」