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王の住まう城の地下。
魔女から使命を受けたシャンティはドヤ……ドニャ顔です。
「というわけだからお願いね。途中フレーメン反応しちゃうかもしれないから咥えなくて良いわよ。胴に巻き付けてあげる」
「……ちっ、このサビ猫シャンティの宅急便め」
「それじゃいってらっしゃい。……ふぅ、やっぱり使い魔は小柄で動きの速い子に限るわ。変わり種も良いけど、やっぱり使い魔は王道の猫ね」
「使い魔っていうのは他の動物でも良いんですか?」
「えぇ、特に制限はないわ」
「……例えば、ネズミとか。ネズミ目カピバラ科とか」
「随分とピンポイントね。まぁ、使い魔としての適性があればいいんじゃない? それにネズミの使い魔自体は珍しいものじゃないわよ、動きが素早いし役に立つわ」
「他にはどんな動物がいるんですか?」
「基本は動きの速い子よね。大陸ゾウガメを使い魔にした魔女は最終的に自分で手紙を届けたらしいし、キリンを使い魔にした魔女は見上げすぎて首を痛めたわ」
「なんだってそんな使えなさそうなの選んじゃったんですか」
「でもやっぱり一番人気は猫よ。白猫」
「白ですか。意外ですね」
「左耳に大きな赤いリボンをつけた白猫よ。すごい働き者なの」
「さすが仕事を選ばない」