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王の住まう城の地下。
机の上には一通の手紙……。
「鏡よ鏡、ご覧なさい」
「ご覧なさいって言うならもうちょっと角度を……そう、その角度なら鏡面から見えます。で、何ですかその手紙は」
「招待状!」
「招待状。はてそれは魔女子会のですか? それとも舞踏会?」
「人間との戦いよ」
「へぇそりゃ血の気の多い」
「100年に一度、満月の夜に行われる大決戦。呪われし土地で魔を退ける力を持つ者達と激しく争うの」
「そりゃなんとも厨ニ的な」
「私も毎回いち魔女として参戦してるから、その招待状よ」
「物騒な話ですが、大丈夫なんですか?」
「そうね、あなたが心配するのも無理ないわ。だって前回の争いの時に私……」
「前回の争いの時に?」
「三日間筋肉痛になったもの」
「日頃の運動不足が100年に一度の大舞台で牙を剥く」
「すっごい辛かったわ。あれから毎日20分はウォーキングするようにしてるの」
「微々たる努力」
「毎日20分を100年間」
「コツコツにも程がある」