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王の住まう城の地下。
今日もまた……と思いきや、またも鏡が独り言。
「鏡とは魔を帯びる者の真実の姿を映すのです」
「どうしたの突然、中二病?」
「いいえ正常です事実です。たとえば吸血鬼が鏡に映らないように、力のある鏡は魔を撥ねつけるのです」
「なるほど。でも私は素の姿を見せてるのよ。ありのままの姿見せ……あら、なんで今言い直したのかしら」
「とにかくですね。俺ほどの鏡になるとどんなものであろうと真実の姿を晒せるのです。たとえば貴女の使い魔である黒猫のシャンティが……」
「く、黒猫のシャンティが……?」
「実はサビ柄」
「そんな! シャンティ、あなたがサビ柄でも愛しさに変わりはないわ!なけなしの魔力で柄を隠していたのね、いじらしい!」
「いやまぁ普通に魔法使いなら気付きそうなものなんですけどね。どんだけ盲目だったんだって話で……ん?」




