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王の住まう城の地下。
今日もまた魔女は……
「鏡さーん、魔法の鏡さぁーん!」
「こんにちは白雪姫。その手にあるハンマーとサンドペーパーと釘を床に降ろして後ろを向いて両手を上げて、簡潔に用件を述べてください」
「私のお友達のネズミさんが居なくなってしまったんです。魔法の鏡さんなら見つけてくれるかなって……」
「ネズミさんですか」
「はい、私の大事なお友達です。ネズミのミッ」
「すわ」
「ミッチェル」
「ふぅ」
「番の名前はミニ」
「すわ」
「ミニエリエンナルロッテ」
「長い」
「そのミッ……ッチェルが居なくなっちゃったんです。このお城にはお義母様が飼っている猫のシャンティも居るから、私心配で心配で……」
「白雪姫……」
「私の大事なネズミ目カピバラ科のミッチェル……」
「大丈夫じゃないですか?」
「このあいだシャンティの柄をツンツンナデナデしていたのを見られたから、もしかしたらミッチェルは嫉妬してしまったのかも」
「シャンティ逃げて、超逃げて」