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吸血鬼

萌絵「ど…同居って!?」

明「なんだ?文句あるのか?」

萌絵「どや顔して言われても…」

春斗「文句なんてないよね~?」

萌絵「いや…大アリなんですけd」

明&春斗「お前に拒否権なんてナイから」

萌絵「ひぃぃぃぃ」

あれからどの位時間が経ったのだろう?


「萌絵」

「ん…」


誰かに優しく肩を掴まれる。


「明…君?」


ゆっくりと目を開くと、目の前には明の顔がある。

そして近い。


「あ…わ、私寝てたのか…」


急に恥ずかしくなり、前髪を直す振りをしながら横を向く。


「立てるか?」

「う…うん」


明の手を掴みながらゆっくりと立ち上がる。


「え…ここ」


車から降りるとそこは、大きな屋敷が建っていた。

貴族が住んでいそうな豪邸を目の前に、萌絵は呆然とする。


『明様…』

「え…?」


どこからか透き通った美しい声が聞こえる。

そしてふわりと甘い匂いがした。


「だ…れ」


目の前には見覚えのない美しい女性が立っていた。


『萌絵…』


そして女性の目の前には、明と呼ばれた男性が立っていた。


「明…君?」


男性は微かに見覚えがあった。


今朝出会った男子生徒に似ている。


いや…もしかしたら彼なのかもしれない。

何故そう思うのかは分からない。


「萌絵?」

「へ…!?」


驚いて声の聞こえた方を見ると明が心配そうに覗き込んでいた。


「どうかしたか?」

「ううん!なんでも無いよ」


萌絵はニコッと笑うと先程見ていた場所に視点を戻してみる。

だが、何もなかった。


「萌絵ちゃん、明!早く~」

「え?あ、うん!」

「今行く」


春斗に呼ばれて二人は駆け足で階段を上っていく。







屋敷の中に入ると、沢山のメイドが出迎えてくれた。


「主がお呼びです」

「了解…」


明は深呼吸すると、萌絵に向き直る。


「姫…こちらに」


萌絵を主と言われている人が居るであろう部屋の前まで案内された。


「明君…ここは?」

「入って…」


言われるがままに入ろうと扉をノックすると、扉が軋みながら開いた。


「どうぞ?」


優しい声が聞こえる。


「し…失礼します」


萌絵がゆっくりと部屋の中へと入る。

他の4人も後に続く。



部屋の中は薄暗く、壁には綺麗な装飾品が施されたランプが飾られている。

カーテンは外の光を一切通さず、完全な闇を作っている。


「お主が、林原萌絵か?」


声の主は赤いカーテンで閉められた空間にいるらしい。

中にもランプがあるのか影だけが見える。


「何故…私の名前を?」

「さあ…なぜだろうね?」


声の主は笑っているのか微かに影が揺れる。


「私はお主の顔を見てみたい」


影が大きく揺れたと思うと、カーテンが開いた。


「ッ」


とても美しい人が姿を現した。

男にも見えるし女にも見える。

しかし、どこか懐かしい感じもした。


「萌絵とやら…近くに来てくれぬか?顔をもっと近くで見てみたい」

「は…い」


体が勝手に動く。

何かを求めてゆっくりと動く。

自分を呼ぶ声しか耳に入らない。

歩く音すら聞こえない。

脱力感に似た何かに襲われた体が人形のように動く。



カーテンで閉めきった空間の目の前に辿り着いた瞬間、想像もしなかった強い力で引っ張られる。


「!?」


気が付くと、萌絵は主と呼ばれているであろう人の上に乗っていた。


「わ…私」

「大丈夫だよ。さあ全てを私に預けて?」

「…」


また何も考えれなくなった。


主と呼ばれた者はリボンタイを外すとゆっくりとYシャツのボタンを外していく。

少しだけ脱がすと、白い肌が露出する。


「相変わらず綺麗な肌をしているな」


主は萌絵の首筋に舌を這わせる。


「…っ」


一瞬、萌絵が体を動かす。


その反応を見て微笑む主は唇から鋭い犬歯を見せるかのように出す。

そしてその牙を萌絵の白い肌に突き刺そうとした瞬間、誰かに邪魔された。


「…明」

「主…もう良いでしょう?」


邪魔をしたのは不服そうな顔をした明だった。


「萌絵は、お前だけの物じゃないぞ?」

「俺のですから」


明はまだ暗示にかかっている萌絵の唇を奪った。


「ん…んぅ!?」


萌絵は暗示から覚めたのか驚く。


明の胸を力いっぱい叩く。

それが精一杯の抵抗らしい。


「はっ…」


やっと解放され肩で息をする。


「むぅ…ズルイぞ明」


主はぷくぅと頬を膨らます。


「わ…私いったい…」


萌絵は顔を真っ赤にさせながら整理をしている。


「お前は主に襲われかけたんだよ」

「主?」


明が睨んでいる方を見る。


「アナタが…主?」


主はニコリと微笑むと萌絵の耳元で囁く。


「主ではなく、レイ…だよ?」

「!?」


萌絵は耳を塞ぐ。

顔が真っ赤なままレイを見る。


「なぁ!?」


レイは楽しそうにクスクスと笑う。


「これからが楽しみだなぁ」

「こンの変態!」 




殴りかかろうとした明を春斗が殴ったとか殴らなかったとか…。









「…で?」

「で?とは…」

「どこまでされた!?」

「さ…されたって何を!?」


場所は明の部屋。


ソファの上で取り調べ(?)がされていた。


「主に!だよ」

「レイに?何もされて」

「嘘付け!じゃあ、なんでボタン外されてたんだよ」

「知らないよ!じゃあさ」


萌絵はキッと睨む。


「なんで明は私にキスなんてしてたの!?」

「はぁ!?理由なんてなんだって良いだろ!」

「良くないの!」

「うお!?」


萌絵は明に掴みかかる。


「私…初めてだったんだから!」


萌絵は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にさせる。


「好きな人としたかったのに…」


ポロポロと大粒の涙が零れ落ちる。


「きゃ…!?」


いきなり明に押し倒される。


「な…何」

「好きになれば問題ないだろ」

「は?」

「俺の事好きになれば良いだろ」

「何言って…」

「俺ナシじゃ生きられなくしてあげる」

「はぁ!?」


明はニコリと微笑むと、先程着替えたばかりの白いブラウスみたいなワンピースに手を伸ばす。


「ちょっと何考えて」


シュルリとリボンが解ける音が聞こえる。

萌絵の言葉は届いてないようだ。


ボタンがゆっくりと丁寧に外されていく。


「ねえってば」


抵抗も虚しく、ボタンは腹辺りまで外されていた。


明の大きな手が萌絵の白い肌をなぞる。

そして背中へと回される。


「明君!?」


モゾモゾと動かしているうちに、締め付けが無くなった。

ホックを外されたようだ。


「!?」


ゆっくりと胸に移動していた。


「明君ってば…!」


今までに感じたことのない感覚に襲われながら抵抗を続ける。


明の唇が肌に触れる。


「っ」


チクリと痛む。

何回も何回も。

唇が色んな所に触れる。


「明く…」


明のもう片方の手が太ももを撫でる。


「あ―――…」


叫ぼうとした瞬間扉が勢い良く開かれる。


「萌絵ちゃーん、ご飯出来たよ!って何してるの?」


タイミングが良いのか悪いのか。

春斗が現れた。


「ん…春斗。なんだ」

「なんだ、は僕のセリフ!僕達の萌絵ちゃんに何してるの!?」


春斗は明を引き剥がすと、萌絵に抱きつく。


「大丈夫!?まだ何もされてない!?」

「ええと・・・ギリギリ」

「まだ処女のまま…グフ」

「それは余計でしょ」

「ってあー!」

「な…何?」

「コレ…キスマでしょ!」

「へ?」


萌絵は壁に掛かっていた大きな鏡を見る。

色んな所に赤いモノが浮かび上がっていた。


「なぁ!?」

「萌絵」


明は静かに呼ぶ。


「明君、あのねぇ」

「良いから話聞けって」

「何よ」


明は一呼吸置き話し出す。


「キスマークは俺達、吸血鬼からすると首輪のような物だ」

「へーってはい!?今ヴァ…ヴァンパイアって」

「あれ?言ってなかったか?俺達は吸血鬼(ヴァンパイア)だぜ?」


萌絵は口をパクパクさせている。


「つまり、お前は吸血鬼の花嫁に選ばれたワケ」

「そんな事…あ、ありえない!」


萌絵の声は屋敷中に響きわたった。




「あーあ。明の奴バラしちゃったのか~」

「お前に似て明は馬鹿だな」


亮を見ながら涼介は溜め息を吐く。


「これからどうしたものか」

「それを考えるのが涼介の役目だろ?」

「仕事を増やして良いなんて一言も言っていないが?」

「まあ気にすんなって!」


バキと何か不吉な音がした。

涼介はどこか清々しそうであった。




とんでもない生活の始まりになるとは萌絵は思っていなかっただろう…。

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