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再告
「二条。何か言いたげにしてるなら言えよ」
「えっ、いや、あー、うん。でも、今云っていいのかなぁ、なんて」
珍しく歯切れが悪い。目だけで言えよと訴えられてる気がして、二条は再び口を開く。「俺、その、龍臣君の事、改めて好きだって言いたくて」
やっぱりか、と、二条が何を云いたいのか察していた吾妻。
「前にも云ったが、アンタの事嫌いじゃねぇけど、俺に好きだ何だ、そういう概念を求めるな」
「うん。別に好きだって聞きたいわけじゃない。唯、俺が伝えたいだけだし。それに、さっき引き止めたのって、これに対する答えとして受け取って良いの?」
「……………さぁな。好きにとってくれ」
吾妻が返事するまでの間が長かった。それに対して二条は、どう捉えたのか。小さく息を吐いて、ソファの背にもたれた。
それ以上、言葉を重ねる事はしない。
吾妻は台所に立ったまま、煙草を一吸いする。換気扇の下で、灰を落とした。
視線を向けると、二条と目が合う。すぐに逸らされる事もなく、だが、近付いてくる事もない。
その距離のまま、時間だけが流れていった。




