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残響
「久しぶりね」
カフェで待ち合わせをしていたのは、中学時代から付き合っていた元恋人の紡。今は腐れ縁という関係に戻った相手だ。
「久しぶり」
二条は席に腰を下ろした。顔や手は変わらず絆創膏だらけだった。 そのせいか、店内では浮いた存在になっていた。
「宗親君」学生時代に、不良達の喧嘩に巻き込まれた事があるから、紡は傷だらけの二条を見ても動じなかった。 「相変わらずだね」
珈琲を一口口に含み「いやぁ参ったよ」軽く笑いながら眉を下げる。
沈黙が混ざるも、二人の会話は続いた。
店を後にした。二条は手を顔の高さまで上げたのに対し、紡は手を振る。 人の波に紛れて、その背中はすぐに見えなくなる。
二年前なら、ここで終わらせていた──。
なのに今は、終わらせない関係を一つ抱えている。




