乱獲
己のスキルに対して俺が切に願っているのがサイレンサー機能である。
銃器の概念のないこの世界で、あまりに銃声は目立ち過ぎる。
人殺しに抵抗がは無いが、人殺し扱いされるデメリットには耐えられない。
無論、リボルバーという性質上、消音は不可能である。
タオルで銃把を押さえたり色々工夫もしたのだが、もう諦めた。
そんな俺に天がボーナスタイムを与えた。
ある日突然、屋外から轟音が鳴り始めたのだ。
最初、大砲の撃ち合いでも始まったのかと思った。
『おい、ミャレー!
この音は何だ!?』
「?
いや、普通に火山の季節だニャ。」
聞けば、王都の付近には活火山があって、この時期になると2ヶ月ほど、噴火し続けるとのこと。
俺以外は全員平然としているので、そういうものらしい。
『天佑、我に在り!』
「うわっ、びっくりしたニャ!
いきなり大声を出さないで欲しいニャ!」
俺はホテルの向かいの冒険者ギルドに行き、担当のキャシーを呼び出す。
『私的に話がしたいから、後で俺の部屋に来てくれ。
あくまで内々にな!』
「え!?
わ、わかりました♥」
俺の着想はこうだ。
噴火シーズンなら銃声は目立たない。
従って殺し放題となる。
後はキャシーに【居なくなっても構わない連中】を尋ねる。
ふふふ、最近発砲タイミングを逃していたからな。
しばらくコスパ良く過ごせそうだ。
「え!?
撃ってもいい人リストですか!?
エロいお話ではなく!?」
『おいおい、人聞きが悪いなぁ。
殺人鬼呼ばわりしないてまくれよ。
あっ! 後、口の固い死体の処理業者を知ってたら紹介してくれ。』
「…いや、それもう殆ど同じ意味なのでは。」
困惑しながらもキャシーは郊外のギャング団の存在を教えてくれる。
徒党を組んで牧場を襲撃しては牛馬を盗むらしい。
チーム全員がカウボーイ崩れなので騎走術に優れ、官憲の気配を察知した途端に遁走。
中々捕まらないらしい。
『おお!
それは素晴らしいな。
ミャレー行くぞ!』
「ええ!?
カウボーイを敵に回したら命が幾つあっても足りないニャ!
絶対嫌だニャ!」
『でも一方的に殺せて、賞金が山分けなら?』
「行くニャー!
オヤビンだーいしゅき!」
現地に着いて俺が考えた作戦はこうだ。
1.目撃情報があった付近から渡河地点を探す。
2.河を一方的狙えそうな茂みから渡河中の敵を撃つ
「え!?
作戦それだけニャ!?」
『ミャレーも俺の腕前は知ってるだろう?』
「わ、わかったニャ!
じゃあミャレーちゃんはオヤビンの隣で応援する係りニャ!」
『オマエは河下で死体を漁る役な。
揃いのドッグタグを付けてるらしいから忘れず回収しろ。
死体は中州に引き摺ってスライムに食わせろ!』
「まあ、その程度なら。
ミャレーは反撃して来ない相手には強いニャ!」
俺は噛みタバコをクチャクチャしながら、時を待つ。
最初の30分は誰も通らなかったので、位置変更を考えていた。
一旦仕切り直そうかと思い腰を上げた瞬間。
眼下の大河に一騎のカウボーイが足を踏み入れるのを目撃する。
バキューン!
バキューン!
いつもなら目立つ銃声は、見事に噴火音がかき消してくれた。
俺の読み通り、頭を撃ち抜かれた馬と人は河に転がり落ちる。
…おお!
痕跡が残らない!
河が濁っている所為か、流血も全然目立たないぞ。
下流のミャレーも、上手くやってみたいだ。
(普段は怠け者だが、小銭をチラつかせると勤勉になる。)
バキューン!
バキューン!
その数分後に来たカウボーイも、銃撃の痕跡に全く気付かず、無警戒で河を渡ろうとして俺に撃たれた。
2人目を殺して確信する。
これぞまさしくボーナスタイムであると!
結局、あまりの楽しさに徹夜で待ち伏せ続けた。
仲間と連絡が取れなくなった事を不審に思ったのか、そのうち5騎ずつ来るようになったが、一方的に撃ち殺した。
ご丁寧に全員がヘッドカンテラを装備していたので、何も考えずに射殺出来た。
明け方になり4騎を撃ち殺してからは不思議と誰も来なくなった。
夕暮れまで粘るも気配すらもない。
仕方ないのでミャレーと定食屋で飯を食ってから、その日は帰投した。
次の日の昼。
ギルドでタグを換金する時に聞いたのだが、そのカウボーイは総勢30騎前後とのこと。
ミャレーに集めさせたタグが37個あったので、名義を分散させて売却した。
更に翌日、そのカーボーイギャングの壊滅を聞かされる。
どうやら最後に射殺した4騎の中にボスがいたらしい。
誤射した3人の一般人の死体は念入りに消去したので、地域に平和が訪れた。
今回の殺害人数 40名 (ギャング37名 民間人3名)
総殺害数 102名
【ステータス】
「名前」
矢吹弾
「能力名」
ピストル
「能力」
詳細不明
リボルバー式の銃がホルスターごと腰に固定される。
弾倉数5。
1発射撃するごとにMPを1消費する。
撃ち尽くすと約60秒後にリロードされる。
有効射程距離50メートル
最大射程距離80メートル
「パラメーター」
《LV》 8→11
《HP》 30/30 →41/41
《MP》 31/31 →39/39
《力》 10 →11
《速度》 17 →29
《器用》 27 →34
《魔力》 10 →10
《知性》 15 →21
《精神》 25 →34
《幸運》 37 →42
《経験》 6500→17500
本日取得経験値 11000
[内訳]
人間100×40名=4000ポイント
軍馬200×35頭=7000ポイント
次のレベルまでの経験値5600
レベル12に到達するまでに必要な総経験値23100
☆レベルアップルール
召喚者の初期レベルは1。
レベルアップに応じて必要経験値が100ずつ増加する。
1→2 100
2→3 200
3→4 400
4→5 700
5→6 1100
6→7 1600
7→8 2200
8→9 2900
9→10 3700
10→11 4600
11→12 5600
12→13 6700
「経験値表」
人間 100ポイント
狼系 50ポイント
軍馬 200ポイント
【筆者から】
貴重なお時間を割いて頂けた事に感謝しております。
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