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いつかの夏  作者: 青春よ、もう一度
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 そのまま、自宅に篭ることが否応なしに、増えた。


 誰もが初めての経験で、怖かったのだろう。

 日用品を買い出しに行くと、道を歩く人はみんな、笑顔がなかった。

 この先どうなるんだろう。

 ただ、不安ばかりが募る。


 私は、親にパソコンを借り、少しずつネットの世界に足を踏み入れてみた。


 大手SNSを見ると、みんな不安で、これは全国規模なんだと実感する。


 私の一個上の先輩たちの、悲痛な書き込み。

 大事な用事が、消えていった大人の嘆き。

 

 ただただ、私も悲しい。


 

 

 記憶にも残らぬほど繰り返される日々を送り、気付けば、私は3年生になってることに気づき、なぜか笑ってしまう。


 ふと正気に戻り、どうせ、このままなんでしょ、とベッドに戻り、不貞腐れていると、親ぼ少し驚き、慌てている声が聞こえてきた。


 リビングに戻り、話を聞いていると何やらメールが遅れて来たらしい。

 

 内容は、学校が分散登校ではあるが、再開するらしい。


 うれしい!と言う思いと、学校が始まることに対する不安も覚えてしまう。


 朝、おきれるかな......。


 そして迎えた分散登校日。


 久しぶりの外は懐かしく、おかえりと言ってくれている気がした。

 久しぶりの通学路は一歩踏むたびに、存在を主張してくれていて、青い空も、道に生えている桜も、全てが祝福してくれているように感じた。

 

 でも、人が全然歩いていない。


 たまに、車は走っているのを見るが歩いているのは、私一人だ。


 急に、世界が色褪せて見え、俯きながら歩いていると、後ろから衝撃が来た。


 「驚いた〜?」


 この声は、この声は。

 

 振り返ると、半年ぶりに目を合わせる、親友の姿が。


 


 

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