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メドゥサ

エスカローネはスーツに着替えた。

そして基地の中を歩いていた。

女子の宿舎に帰るためである。

歩いている最中左右に分かれて、植えられている木々が目に入った。

緑の木々が生えていた。

一人で歩いている途中、もやが流れてきた。

「あら? 霧が出てきたのかしら?」

周囲はあっという間に霧で包まれてしまった。

「! 人が立っている……」

霧でおおわれた空間に、一人の女が立っていた。

右手にはブロードソード(幅の広い剣)を持ち、頭はフードをかぶり、ローブを着ている女。

目が細長い。

「エスカローネ・エルフェンクランツだな?」

女がしゃべった。

「そうですけど、あなたは誰ですか?」

エスカローネはいぶかしんだ。

「私はメドゥサ(Medusa)。おまえを殺しに来た」

「!? 私を殺しに!?」

エスカローネはエスカリオスを本能的に出した。

この女、メドゥサからは本物の殺意を感じた。

メドゥサの言っていることは本当だ。

エスカローネの危機感が強く自分に警告してくる。

メドゥサが歩いてきた。

エスカローネはハルバードで守りの構えを取る。

メドゥサはダッシュした。

剣を上から下へと、振り下ろす。

エスカローネはハルバードでそれを受け止めた。

「死ぬがいい!」

メドゥサが言った。

メドゥサは剣で横に斬りつけた。

エスカローネはハルバードので防御した。

エスカローネは直感した。

メドゥサの腕は自分よりも上だ。

そのため、攻撃より防御を取ることにした。

もとより、エスカローネにメドゥサと斬り結ぶ必要などどこにもない。

つまり、「死ななければ勝ち」なのだ。

メドゥサが剣で連続攻撃してきた。

エスカローネはハルバードで自分の身を守った。

「防御を重視した構えか……気に入らんな。死に物狂いで反撃してみせろ。その方がやりがいがあるというものだ」

エスカローネは眉を細めた。

「どうして、私を殺そうとするの?」

「フン! 死にゆく者がそれを知る必要はない!」

メドゥサは剣で鋭い突きを放った。

それをエスカローネはハルバードで弾いた。

さらにハルバードによる突きで反撃した。

メドゥサは後方に退いた。

「ほう、少しはやるな……だが、これはどうかな?」

「何?」

メドゥサは左手を上にかかげた。

メドゥサの手から氷の刃が現れた。

氷の刃はエスカローネに向かった。

エスカローネはハルバードで氷の刃を薙ぎ払った。

氷の刃を打ち落とす。

メドゥサはさらに氷の刃を打ち出してきた。

「くうう!?」

エスカローネの顔が歪む。

エスカローネは氷の刃の迎撃についていけなくなった。

「フフフフフフ!」

メドゥサはさらに大きな特大の氷の槍を、自身の上に作った。

「これで、とどめだ」

メドゥサが淡々と告げた。

エスカローネには迎撃は不可能だった。

エスカローネは死を身近に感じた。

あれをくらったら生きてはいないだろう。

そう思った時、エスカローネの後ろから大きな水の球が、氷の槍に命中した。

「なに!?」

メドゥサが驚愕した。

氷の槍は水の球に破壊された。

「どうやら間に合ったようね」

エスカローネの背後から女の声がした。

エスカローネは後ろを振り向いた。

そこにはオレンジ色のショートカット、オレンジ色の服にズボンをはいた女性がいた。

「きさま……何者だ!」

「あなたは誰?」

女性はほほえみながら答えた。

「私はアンネリーゼ(Anneliese)。ザンクト・エリーザベト修道会のシュヴェスター(姉妹)よ」

言い終わると、アンネリーゼは腰から曲刀を抜くと、エスカローネの前に躍り出た。

曲刀をメドゥサに向けて対峙する。

「さあ、これで一対二ね。どうする? このまま続ける? こちらが有利よ?」

アンネリーゼは自信たっぷりに答えた。

メドゥサは忌々し気な表情を浮かべた。

「ちっ……いいところで邪魔が入ったか……だが、これで終わりだとは思うな! エスカローネ・エルフェンクランツ、きさまの命、必ず、もらい受ける!」

そう言うとメドゥサは剣をさやに収め、霧の中に消えていった。

「逃げたわね。ひとまずの脅威は去ったかしら?」

アンネリーゼがつぶやいた。

その時、どさりと倒れる音がした。

アンネリーゼは後ろを振り向いた。

すると道路の上にエスカローネが倒れていた。

失神であろう。

緊張感から解放されたからか。

「無理していたのね。かわいいじゃない……」

アンネリーゼは腰に曲刀を戻すと、優しいまなざしでエスカローネを見つめた。

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