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第八十七話 ヘルガの憂鬱

 暇──ひたすらに暇だ。


 ロンド様やコルネくんには絶対に見せられないようなだらしない表情をしながら、テーブルに突っ伏す。


 二人が帰ってくるまで、私はここから離れられないのだ。なんせ誰もいないSランク冒険者の家など、盗みに入るしかないだろう。


 過去に何人か氷漬けにしてからは、誰も来なくなったが、それでも安心はできない。ここにあるお金が盗まれでもしたら、私たちは路頭に迷うことになる。


 それにロンド様にお任せくださいと言ってしまった手前、投げ出すわけにもいかない。あの発言を今では少し後悔しているが、どちらにしろ、私が留守番をするのは変わらなかっただろう。


 ふと窓の外を見ると、太陽が高いところまで来ていた。そろそろお昼にするか──そう思い、冷凍しておいた昨日の料理を火系統の魔法で解凍して食べる。


 うん、上手く解凍できているようだ。自分の料理ながら美味しいとは思うのだが、連続で同じ料理を食べるのは何か物足りないというか──単純に飽きる。


「はぁ……早く帰ってこないかな……」


 スプーンを口に運びながら、ふと口に出す。二人の顔が脳裏に浮かぶ。


 私はこんなに寂しがりやだったろうか。諜報の訓練を受けていた頃に、他人を信じるなと叩き込まれて──それからこの任務につくまで一人で任務をこなしても、一人で暮らしていても寂しいと思ったことはなかった。


 コルネくんには黙っているが、私はただの使用人というわけではなく、諜報員として現役で活動している。


 今の任務はロンド様のお目付け役といったところで、それ以外にもときどきやってくる任務をこなしている。ロンド様は全てご存じだからいいけど、任務のためにときどき抜け出すのはコルネくんに不審に映っているかもしれない。


 それでもこの仕事のことを話すつもりはない。私が任務で何度も人を殺しているのを知られたくない。彼の前では、私はクールなお姉さんでいたいのだ。


 だから、もちろんさっきのようなだらけた顔を見せてはいけないし、出発したその日に、開放感で道場を走り回っていたのを知られてはいけないのだ。癖にならないように気を付けないと。


 そうこう考えているうちに、気付けば食器は空になっていた。食器を洗ったら、一人でカードゲームでもするか。


 ロンド様の鞄にカードゲームが入っていたから、きっとロンド様とコルネくんは宿屋でカードゲームしてはしゃいでるんだろうなぁ。いいなぁ。


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