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第八十三話 アクスウィル魔法学校 其の十

 日が落ちかける頃、俺はくたくたになりながら宿屋に戻る。


 昼の模擬戦を見ていた生徒たちから誘われて、放課後は模擬戦三昧だった。七、八戦ほどしただろうか。一度くらい模擬戦をやってみたいとは思ったが、ここまで望んだわけではない。


 戦いたいという生徒は他にもまだたくさんいたが、そろそろ魔力欠乏症になりそうだったから切り上げてきた。それでなくとも、もう日は沈みかけていたというのに、戦おうとする生徒たちはよほど家が近いのだろうか。


 模擬戦といえば、昼間の模擬戦の後に受けた授業では話しかけてくれる生徒が多かった。中には今朝のような理論の話を求めてくる人もいたが、やはり話しかけられると受け入れられている気がして嬉しかった。


「おかえり、コルネくん」

「ただいま帰りました」


 部屋に着くと、師匠はカードをテーブルに広げていた。暇つぶしに一人でカードゲームをしていたのだろう。


 カードゲームを持ってきていたことが俺に知れたのが恥ずかしいのか、そそくさとカードをしまい始める師匠の顔が少し赤い。


 心配しなくても、出発したときから知ってますよ──と思ったが、言わないでおいた。


 師匠は鞄にカードゲームの箱を入れると立ち上がる。


「じゃあ、ごはん食べに行こっか」




 夕食を食べ終え、宿屋に戻る。お店は安いところが多く、やはり学生の街なのだという印象を受けた。


 俺たちが入った店も安かったが、料理は美味しく、お腹いっぱい食べることができて満足だ。


 今日あったことを師匠に話すと師匠はうん、うん、と相槌を打ちながら聞いてくれた。それが嬉しくて話し込んでしまったようで、戻ると宿屋の時計はかなり進んでいた。


 一方、師匠はというと朝から夕方まで質問攻めに遭っていたようだ。てっきり生徒に向けて話をするのだと思い込んでいたが、毎年来るためそれは必要ないらしい。


 「普段どんな鍛錬をしていますか」から「魔法剣見せてください」まで様々な質問が飛んできて疲れると言っていた師匠の表情は、見たことがないほどに疲れきっていた。


 全ての質問に即答できるわけではないだろうし、答えに困る質問もあったはずだ──「魔法剣見せてください」はもはや質問ではない気がするが。師匠は師匠で大変だなぁ。


 寝る支度をして、二人とも早めにベッドに入る。


 今日は驚くほど中身の濃い一日だった。理論が全然分からなくて困ったり、食堂から出た途端に模擬戦を申し込まれたり。すごく疲れたけど、楽しかったな。


 明日もたくさん模擬戦をすることになるだろうか。明日参加する授業のレベルは大丈夫だろうか。明日は違う食堂に行ってみたい。


 ベッドでいろんなことを考えてしまい眠れずにいると、隣から師匠の寝息が聞こえてくる。


 俺も早く寝なくちゃな。


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