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第八十一話 アクスウィル魔法学校 其の八

 先手必勝──少しでも距離を詰めるために、立会人の言葉が消えるより前に地面を蹴る。それに、ずっと同じ場所にいては恰好の的だ。


 相手もすぐに決着をつけようとしてきたようで、ついさっきまで俺がいたところに魔法が着弾する。


 この威力──詠唱から発動が短い魔法を使ってきている。当たり前だが、発動まで時間がかかるものを使えば、発動より先に俺が辿りついてしまう可能性が高いからな。


 この調子だと、俺が線まで行くぎりぎりで、範囲の広い魔法を使ってくるという戦法はなさそうだ。


 そして、さっきの魔法は火系統──ならば水の魔法剣で迎え撃てる可能性はあるが──失敗すれば即負けが確定するので、最後の手段にとっておこう。


 次々と向かってくる魔法を走りながら避ける。少しずつ相手に近づいてはいるが、しっかりと横方向に動かないと当たってしまうので、一気に近づくのは難しそうだ。


 このペースだと、こちらの体力が先に尽きてしまうだろう。何か機会を待つか?


 いや、相手は魔法を撃ち続けるだけで、魔力が切れない限りは隙ができないだろう。相手の魔力がどれほどか分からない以上、待つのは悪手。


 ならこちらから何か仕掛けないと──動きながら考えていると自分の少し先に魔法が向かっていた。


(動きを読まれたか)


 このままだとぶつかってしまう。急には止まれないから、ここはまだ隠している魔力操作でスピードを上げる──いや、それよりはこれをむしろ利用すれば──


 魔法を受け止めるように少し先の土を隆起させる。それなりに厚みのある土壁だから、一発くらいはもつだろう。


 ギャラリーの声量が上がるのを聞きながら、土壁の陰に入ると同時に土壁に手をかけてブレーキをかける。そして、自分が来た方へと急激に方向転換し、土壁の陰から出る。


 きっと、来た方向とは反対から出てくると思って、反対側に何発か魔法を撃ってくれるだろう。その隙に俺は一気に距離を詰めるのだ。


 そして陰から出ると同時に、魔力操作と風の魔法を使って一気にスピードを上げる。


 被弾した土壁の欠片が、うまく散らばって俺の姿を隠している──狙い通りだ。この目くらましもすぐにバレてしまうだろうが、少しの時間でも今の俺ならかなりの距離を詰められるはず。


 コートの半分の線を越えたところで、ようやく相手が気付いたようだ。何も使ってない状態から、魔法と魔力操作を一気に使ったので、思ったよりスピードが出て半分まで来てしまった。


 風の魔法と魔力操作を使いながら全力疾走をすることなんて日頃はないから、知らないうちに早くなっていたようだ。意外なところで自分の成長を実感できて、こんな状況にも関わらず嬉しくなる。


 気付いた相手が、またこちらに照準を合わせて魔法を撃ってくるのだが、明らかに威力が落ちている。動揺しているのか魔力からの変換が上手くいっていないようだ。


 これなら水の魔法剣で打ち消せるのではないか。もし打ち消せれば、まっすぐに向こうの線まで走れる──そう思うが、もし失敗したらと考えると怖い。


 しかし、もしここで魔法剣で打ち消して見せれば、さらなる動揺が誘えるのではないか──そんな考えも頭をよぎる。


 距離を詰めたせいで、一発一発の精度が当たって避けるのが難しくなっているから、どの道、打ち消さずに線まで辿りつくのは無理か。


 それならば、魔法剣で受け流せばいいのではないか──勢いを殺さなければ成功率も上がるはずだ。


 剣に水の魔法を纏わせ、飛んでくる火の魔法の横を滑らせるように剣を振るい始める。これは──いける。角度もばっちりだ。


 しかし、剣が魔法に触れることはなかった。その前に別の魔法が飛んできて相殺したのだ。


「これまで!」


 意識の外に出ていた立会人の声が訓練場に響きわたる。


PCのデータが飛んだという連絡があり、書ける精神状態ではないので、今日はお休みします。すみません。

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