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第六十五話 討伐クエスト 其の五

 討伐がサクッと終わって、持ち帰ることを考える。


 今回の依頼は、コボルトの皮が使いたいという人からのもので、皮を持ち帰ることが必須条件となっている。


 脅威となるものや、増えすぎたので数を減らしたいといった理由での討伐を除いて、モンスター討伐の依頼のほとんどはこうした素材のためのものだ。


 素材を持ち帰らなければいけない場合、だいたいの冒険者は解体技術を持っていないため、モンスターの死骸を丸ごと持って帰る。この場合、解体費用がかかってしまうのだが、素人が下手に解体してしまうと、素材の価値が低くなってしまうことが多く、結果的にこちらの方が得なのだ。


 大きめの──例えば人間と同じくらいの体重の──モンスターも討伐対象になることが多いのだが、ほとんどのパーティは四人、少なくても三人ほどなので問題なく持ち帰ることができる。


 持ち帰れそうにないような大物の討伐に行くときは、金で人を雇うか、解体できる者を連れて行って近場で解体するかのどちらかだ。


 クエストを受けるときに、コボルトを一人で持ち帰ることが可能かと少し躊躇したが、ダンジョンで師匠を抱えて走れたのだから大丈夫だろうという結論に至った。


 倒れたコボルトを負ぶうように背中に乗せると──想像よりもコボルトは少し軽かった。頭が人間ではないからだろうか。


 これならギルドまで運ぶのは余裕だ。よっこいせ、という掛け声とともに、コボルトを乗せたまま立ち上がる。


 上手く背負っていたつもりだったが、コボルトが右にずり落ちてしまいそうになり、慌てて支える──初めての一人での討伐に、体がこわばっていたのだろうか。


 ずり落ちる前に左から衝撃を感じたような気がするが──コボルトほどの重さだと一気に負荷がかかるから、きっとそれを衝撃だと勘違いしたのだろう。




「…………ふぅ」


 ギルドまでコボルトを運び終えて、一息つく。魔力操作で補助していたのもあって、そんなには疲れなかった。


 一人でコボルトを担いで入っていったときは、少し驚かれたがクエスト達成の認定もすんなりと終わった。


 報酬として受け取った銀貨は、初めて自分一人で稼いだお金のように思った。実際はドラゴンもほぼ一人で倒しているのだが、あのときはクエストとして報酬を意識していたわけではなかったからノーカウントだ。


 銀貨を持ってきていた袋に丁寧にしまい、冒険者ギルドを後にする。行きと同じように魔力操作を使いながら走り出すと、カラン、カラン、と時折銀貨同士がぶつかり合う音がする。


 幸せな音だなぁ、と思いながらラムハへの家路を急ぐ。


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