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第五十一話 到達

 ただひたすら歩き続けるだけの日々。気まずくて黙々と歩いていた一日目に比べれば精神的にはいくらかマシではあるが、しばらく脚がパンパンのままだ。


 二日目の昼あたりから傾斜が付いてきて山に差し掛かったことが分かった。そこから傾斜が急になったり緩やかになったりを繰り返している。


 ティオール山脈自体が遠くから見ても分かるようにさほど高くない山の集まりなので、崖のような場所は今のところない。それでも気を抜けば滑り落ちそうな場所はいくつもあった。


 変わりやすい山の天気にも苦しめられながら、師匠と俺はなんとか山脈の尾根に辿り着いた。森に入った日から数えて四日が経っていた。


「やっと着いたね」


 師匠が汗を手で拭いながらしみじみと言う。


 三日間ずっと歩き続けてやっとドリュファス王国側から尾根だ。レンド王国側も含めるとこの森林は一体どれだけ広いのだろう。


 尾根は平坦な道が線のように続いていて、森林を超えて遠く離れた都市までも一望できるほど見晴らしがいい。標高が高いせいか、この近くは背の低い植物ばかりになっているためだ。


「あれは僕たちが通ってきたトレトだね」


 師匠の指差す方を見ると、レンド王国側では一番森に近い街が見えた。はずれには草地が広がっており、あの辺がダンジョンなのかななどと考えた。


 壮大な眺めに心を奪われていると突然、森の一箇所の木が倒れた。見ると、そこら一帯は他の場所に比べて木が少なく、まばらになっているように見えた。


「コルネくん!」


 師匠の呼びかけに俺は頷き、師匠に続いて山をレンド王国側に下り始める。あそこで何かが起こっている。もしかするとモンスターの異常発生の原因かもしれない。




 尾根から見えただいたいの方角に向かって山を下っていく。焦る気持ちはきっと師匠にもあるのだろうが、脚を滑らせてしまうとどうなってしまうか分からないため、慎重に下りていく。


 前を行く師匠とスピードを合わせながら、疲労した脚を動かして進む。だんだんと見慣れた高い木々が増えていく。そしてそこに棲むモンスターも。


 こちらに向かってくるモンスターが上ってきたときよりも多い。師匠はその度に素早く剣を振るって片付けていく。


 師匠もかなり疲労は溜まっているはずなのに、剣裁きは衰えない。やはり流石だと思う。


 横を見ると離れたところで俺たちの横をすり抜けていくモンスターが多い。もしかして前から来るモンスターは俺たちを襲っているのではなくて、何かから逃げているのだとしたら──


「あれは……!」


 師匠の声で前を見るとそこには三つの頭を持つモンスター、ケルベロスがいた──いや、俺の知っているケルベロスはあんなに大きくない。あれは……何だ?

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