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第四十九話 野営

 昨日見た宿屋の主人は急用で昨晩からいないらしく、朝食も師匠が言伝を受け取っていたところから出してきたそうだ。昨日と違って豪勢だったのは、急用で出かけることのお詫びの印だったのだろうか。


 時折、遠くから物音がしていたから、主人はいなくても誰かしら宿屋にいたのだろう。せめて挨拶ぐらいはしてから出た方がいいんじゃないかと師匠に云ったが、勝手に出ていいと言われたらしい。


 なんだかよく分からないまま、師匠に連れられ宿を出て、今日こそはと森へ向かう。


 森の中は背の高い木々が鬱蒼と茂っていて、思っていたよりも暗かった。森を歩いていると、モンスターをちらほら見かけたが、ほとんどは襲ってこなかった。


 ある程度までしか村の人は森には入らないだろうから、見たことのない人間に戸惑っているのかもしれない。


 ゴブリンなどの知っているモンスターも多くいたが、初めて見るモンスターもかなりいた。ちょろちょろと動き回る小型のモンスターが可愛らしくてつい目で追ってしまっていたが、指を食いちぎられるから近付いては駄目だと言われ驚いてしまった。




 歩けど歩けど同じような景色ばかり。入ってからしばらくは、初めて見る植物やモンスターを見て楽しんでいたが、それもずっと見ていれば飽きてくる。


 お昼に持たせてもらった食糧と襲ってきたモンスターを焼いて食べたが、そこからずっとまた歩きっぱなしだ。


 この調子だと何日かかるのだろうか。いつもなら師匠と話して気を紛らわせるのだが、今日の師匠は機嫌が悪いのか、笑っているときでも微妙に棘があるというかいつもと違う雰囲気を纏っている。


 本当にわずかに表情だとか仕草だとかが違うのだと思うのだが、原因は魔力欠乏症になったことなのか、それとも昨晩何かがあったのか──原因は分からないがとにかく話しかけづらい。




 夕闇がわずかに見える空を覆っていき、野営の準備を始める。手始めに燃えやすい薪をたくさん拾ってくる。夜焚いておく火にくべるためだ。


 魔法でも火は出しつづけられるのだが、野営のように長時間燃やし続けるときには一度薪に着火し、薪を追加していくのがやはり都合がよい。


 集めてきた薪に火を点け、狩ったモンスターを丸焼きにして晩御飯にする。食事の間もあまり会話は弾まなかった。


食事を済ませると早めに寝る。交代で火の番をしなければならず、睡眠時間をより長く確保するためだ。師匠と気まずい雰囲気だったので、正直助かったと思った。


 先に寝た師匠の寝顔を見ながら考える。やはり俺が寝た後、宿屋で何かあったのだと。


読んでいただきありがとうございます。

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