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第四十七話 宿屋にて

ロンド視点です。

僕が寝る支度をするふりをしていると、コルネくんがすやすやと寝息を立て始めた。


「寝た……みたいだね」


 彼の胸がゆっくりと上下するのを確認してから、自分の鞄から透明な液体が入った小瓶を取り出しあおる。するとだんだんと体に感じていた違和感が解けていく。


「ずいぶんと見くびられたものだ」


 冒険者にとって体は資本だ。戦闘中のちょっとした不調が命に関わるために、冒険者──特に高ランクの冒険者は自分の体の変化に敏感だ。だから()()()()()()ことくらいすぐに分かる。


 本来なら毒の種類が分からなければ解毒はできないのだが、この毒魔法用にいつも持っている解毒剤は、実は回復力を飛躍的に高めるものであって厳密には解毒剤ではない。魔法で生み出される毒の解毒薬は存在しないため、回復力を上げるほかないのだ。


 だからたまたま対応できた──どうやら僕は運がいいようだ。


 あの感じだとおそらくは遅効性の痺れ薬だと思われるので、きっと寝ているところを襲うつもりだったのだろう。もし起きられても動けないようにと念を入れたようだ。


 高そうな剣を持っているから殺して奪おうという算段だったのだろうが、そうはいかない。


 痺れ薬ならば時間が経てば元通りになるためコルネくんは寝かせたままでいいとして──僕と大切な弟子の命を狙った代償、どう払ってもらおうか。




 敵が何人か分からない以上、寝ているコルネくんを置いて攻撃に出るのは悪手だ。やはりここは待つのがいいだろう。


 そう考え、なんとか眠気を堪えて待っていると足音が近づいてきた。寝ているか、起きていても動けないと思っているだろう、足音を隠すこともなく歩いてくる。


 扉の前で足音が止まる。僕はもうずっと待ち構えている。扉を開けた瞬間に剣を当てるためだ。


 じっと扉を凝視していると遠慮気味にゆっくりと扉が開く。待っていたとばかりに勢いよく剣を振り下ろす。


「ぎゃっ」


 剣はノブを握っていた腕に当たり、男の短く呻く声がした。ドサッと倒れる音がしてからドアを開けて確認すると宿屋の主人だった。


 雷の魔法剣に触れたために、痺れて気を失っているようだ。灯りを持っていた反対の手にはナイフを持っており、やはり殺す気だったのが伺える。


 勢いよく剣を下ろしたために、腕にはかなり深い傷ができているようで血だまりがどんどん大きくなっていく。


 うーん、この男はどうしたものか。


読んでいただきありがとうございます。

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