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第三十八話 鍛冶屋にて 其の三

 ダグさんは師匠の持ってきた魔力結晶を見て難しい顔をしている。


「どれもいい魔力結晶なんじゃが……尖り方がよくないのう」


 尖り方とはなんだろうか。結晶はどれも尖っているように見えるけども。


「ロンドの得意なのは雷系統、コルネは炎系統──じゃが、ここにあるのはどれも他の属性に偏っておる」


 おそらく魔力結晶ごとに適している魔法の系統があるということだろうか。見ただけで魔力結晶の適した魔法が分かるなど、よほど優れた眼識が備わっているようだ。俺にはただ少し色味のバラつきがあるようにしか見えない。


 しれっと言っていたが、師匠が得意なのは雷系統だったのか……知らなかった。


「ところで、コルネが持っとるあの袋はなんじゃ? あの中身も見せてほしいのう」


 笑いが止まらないといった様子でダグさんが言う。この反応は袋の中身が分かっているに違いない。外からは中身は分からないが、師匠と同じ袋だから結晶が入っていることは容易に推測できる。


「ポォォォォォォォォォォォォォッ!」


 袋を広げて中身を見せるとダグさんが再び奇声を上げる。


「こんなに! こんなにたくさん魔力結晶が! ロンドの袋の何倍もある! 最高じゃぁぁぁぁぁ!」


 無遠慮に袋に手を突っ込んでは、次々に結晶を光に透かして見ていく。一通り見終わったのか、ダグさんは二つの結晶をテーブルの上に置いた。


「これは最高の魔力結晶じゃ。一つは雷、一つは炎なんじゃが、偏りすぎず他の系統も使いやすい。しかもこの大きさ! トレトでもなければなかなかお目にかかれないほどじゃ。性能には関係ないが、よく透き通っていて見映えもよい。あぁ、どこを取っても最高の魔力結晶じゃ。これで剣を打ってもよいかな?」


 鼻息を弾ませながら滔々と語りだすダグさん。


「コルネくん、後で僕の分から代わりに二つあげるからその魔力結晶を使ってもいいかな?」

「……もちろんです。いい武器ができるのに越したことはありませんから」


 ダグさんの饒舌さに固まっていたから反応が遅れてしまった。


「結晶も決まったし早速打つかの──あ、その前に代金をもらうのを忘れとった」

「これで足りますか?」


 すかさず持ってきていた袋を師匠が差し出す。俺もそばに置いていたお金の入った袋を──と取り出そうとする俺を師匠が手で制す。


「ここは僕に奢らせておくれよ」


 ね? とでも言うように師匠がこちらにウィンクを投げる。くぅ~、師匠かっこいい! 


 ここは師匠の厚意に甘えるとしよう。とはいえ、かなりの金額になるはずだ。さすがに何か埋め合わせをしないとな。


「ばっちりじゃ。少し多いくらいじゃが、これはあの分だと思ってもらっておこう」

「ええ。そうしてください」


 あの分ってなんだろう。俺が離れていた間に二人で何か話していた……? 


 腕利きの鍛冶屋とSランク冒険者、秘密の一つや二つくらいあっても不思議ではないが、きっと俺が気にしても仕方がないものだろう。


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