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第三十五話 鍛冶屋への道程

 昨日の鍛冶屋に行く話がまとまってから、ヘルガさんも加わって三人で採ってきた魔力結晶を整理した。


 大きさでだいたい三つに分けると、小さいものが二割、中くらいのものが三割、残りの半分が大きいものといった具合になった。


 おそらく十層で大量にモンスターを倒したせいで大きいものが多いのだと思う。怒涛の連続モンスター討伐も無駄ではなかったと嬉しくなる。


三つの山に分けたそれぞれから、師匠が二割を取って残りを俺がもらうことになった。各自の魔力結晶を袋に入れて師匠と俺は今、馬車に揺られている。


「コルネくん、馬車はどうだい?」

「座っているだけで移動できるなんて夢みたいです。ただ……思ったより揺れますね」

「そりゃあ揺れるさ。この道は舗装されてるわけじゃないから」


 何を隠そう俺は馬車に乗るのが初めてだ。今まではミャクー村から山や隣の村までしか行かなかったから必要がなかったのだ。


 馬車を借りるには結構なお金がかかる。だからほとんどの冒険者はたとえ長距離でも、徒歩で移動することが多い。


 払えないほどの金額ではないのだが、急を要する用事でもない限り使うことはないだろう。


 実は以前サラさんが道場に来るのに馬車を使っているのを見て、俺も師匠と一緒に出掛けるときに乗れるんじゃないかと思ったが、こんなに早くその日が来るとは想像していなかった。


「今から行く鍛冶屋はダグさんがやっているところでね、レオンさんに紹介してもらったんだ。僕と同じSランク冒険者なんだけど知ってるかな」


 師匠が外を眺めながら思い出すようにふと口に出す。


「そういえばレオンさんってどんな人なんですか?」

「とても強い人だよ、剣も心もね。僕にとっては父親みたいな人」


 父親みたいな人……ということは本当の父親は──訊いてもいいのだろうか。


「師匠のお父様は……」

「ああ、言ってなかったっけ。僕は孤児院の育ちなんだ」


 気にしたのが馬鹿らしくなるほどあっけらかんと言ってのける。父親がいないような発言から予想はしていたが、師匠も俺と同じ孤児院の出身だったのか。一気に親近感が湧いてきたな。


「話が逸れちゃったけど、その鍛冶屋はレオンさんが昔からお世話になっているらしくてね。腕は確かなんだけど、いい素材が手に入ると奇声を上げたり跳びまわったりするんだ。だから、その……驚かないでね?」


 そんなところに俺は今から行くのか……一気に不安になってきた。俺が勝手に思い浮かべていた気難しいおじいさんを遥かに超えてくるとは。


「ちょっと変わった人だけど、腕は本当に確かなんだ。王様に剣を献上もしてるくらいだから。普通の剣は分からないけど、魔法剣に関してはこの国で一番だと僕は思ってる」


 師匠が言うなら腕は確かなのだろうが……ついてくるべきではなかったかもしれない。


読んでいただきありがとうございます。

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