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第三十話 ダンジョン探索 其の九

「二つ目の通路を右!」

「つきあたりまで直進!」

「つきあたりを左!」


 手元の地図を見て走りながら、次々とどの道へ進むべきなのかを叫ぶ。せめてもの救いはダンジョンの床が平らなことだ。地図に目線を落としっぱなしでも躓くことはない。


「ウォォン!」

「はっ」


 たまに出てくるモンスターは風の魔法剣で通路の脇に飛ばす。弱ければ倒してもいいかと思ったのだが、一撃で仕留める自信がないのでこうしてモンスターが動けない間に通り抜けている。


 仕留めたら仕留めたで魔力結晶になるため、師匠が躓く可能性があるかと後から思い至り結果的に正解だと思った。どうせこの魔力結晶は拾えないしな。


 五階層への階段が見えてきた。


「階段!」


 師匠の前に魔力結晶があるため、見えていない可能性も考慮して毎回階段前には伝えるようにしている。


 俺は疲れている脚を無理やり動かし、一段とばしで階段を駆け上がる。振り返ると師匠が少し遅れて上ってくる。


 あれだけの重さの物を操作しつつ走り続ける。ものすごい体力だ。


 そして師匠の後ろを追いかけるモンスターの群れがちらりと見える。


 こいつらがいるせいで、師匠も俺も止まれないのだ。下手に止まると倒さないといけなくなる。俺も体力はもうそんなに残っていない。師匠は地上まで魔力結晶を運びきれるかすらも怪しい。


だからこの数を一気に、と考えるともう地上まで一気に出てしまう他ないだろうということになった。地上に出てしまえばモンスターは消えてしまうかダンジョン内にとどまり続ける。


 この時点で師匠はかなり辛そうな顔をしている。大丈夫だろうかと心配しつつも、俺は出来ることをするしかない。ひたすら正確に道を叫び続けながら走る。


師匠は地上までもつだろうか。もし途中でこけでもしたら……考えないようにしよう。師匠が途中でこけてしまったら俺が死ぬ気で全部倒すしかない。


 だからお願いします、神様。どうか師匠が地上に出るまで走り続けられますように。




 なんとか一階層まで戻ることができた。師匠の顔はいつ振り返っても苦痛に歪みっぱなしだ。


 走り出してからどれだけ時間が経っただろうか。ダンジョンに来たときはとても長く感じたのに、走って上ってきたのは一瞬のように感じられた。


 ここを曲がれば地上への階段があるはず──そう思ったときだった。


 バタッ。後ろで師匠がこける音がした。振り返るとやはり師匠はこけていたが、魔力結晶は浮かんだままだった。意地でも魔力結晶に傷を付けたくないらしい。


「ごめん、コルネくん……限界みたいだ」

「そう……ですか。そこの角を曲がったら階段があるはずなんですけど。もう少し、もう少しだけ頑張れませんか」

「そうしたいんだけど──こけてから脚に上手く力が入らなくて立ち上がれないや」


 師匠が眉をハの字に曲げて弱々しく笑う。


 そんな顔しないでくださいよ。むしろここまでよく頑張りましたよ。


 さて、このまま師匠が起き上がれないのであれば追ってくるモンスターの群れに襲われてしまうだろう。


 ここは俺がどうにかしなければいけない。絶対に生きて帰らないと。

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