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第二十六話 ダンジョン探索 其の五

 翌日、また同じ時間に二人でダンジョンに向かう。心なしか師匠が昨日よりも元気そう

に見える。


 昨晩、俺は疲れからかぐっすり眠れたから、師匠もだいたいそんなところではないだろうか。


 昨日の帰り際に師匠がとても渋い顔をしていた理由を考えたところ、もしかすると最奥の魔力結晶に関係あるのではないかと思い至った。


 魔力結晶は魔力が結晶化したものだ。そこからモンスターが生まれるのなら当然、魔力を消費しているはず。


 そうすると魔力結晶の魔力が減り、価値が落ちるのではないか。それを並々ならぬ魔力結晶への愛を持つ師匠は嫌がった──と考えると腑に落ちる。


 まあ直接訊こうとは思わないが。


 昨日と同じように地上からの階段を下りると、昨日とは違い明々と壁際に師匠が出した炎が灯っていた。


「今日は最初から飛ばしていくよ」


 その言葉を聞くとまた脚が前方に引っ張られるのを感じる。七階層までは既に地図が完成しているので、今日は俺が先頭だ。


 昨日と違って、行き止まりだった道にもう一度進もうとする師匠を慌てて止めなくていいのだ。




 三階層まで進んで俺はあることに気が付く。


「昨日よりモンスターがかなり減ってますよね」


俺が先頭になって、地図通りに最速で各階層を抜けているために、余計な回り道をしていないからだけではない。明らかに昨日に比べて同じ距離を歩いてもモンスターに出会いにくくなっている。


「そりゃそうだよ。モンスターを生み出すのにも時間がかかるのさ。昨日はダンジョンが発生してから誰も入っていなかったから、たくさんいたけど」


 ダンジョンが発生するまでに多少の時間があったかもしれないが、ドラゴン討伐から十日ほど経っている。七日分くらいのモンスターが昨日は闊歩していたのだろうか。


 七日放置されてあれなら、発見が遅れたダンジョンはモンスターが地上に出てきて大変なことになるんじゃ……


「そういえばあれだけモンスターがいて外に出ることはないんですか?」

「ダンジョンで生み出されたモンスターは魔力で出来ているから、ダンジョンを出てしまうと存在できなくなるんだよ。僕が出したダンジョンを照らす炎のようにね」


 必要もないのに師匠が指先に炎を出しながら応える。


「この調子で進めば、今日は最奥部までたどり着けそうだね」




 それから俺たちはあっという間に昨日引き返した八階層への階段まで到達した。ちょうどお腹が空いた頃だったので、そこでお昼を食べてまた出発した。


 ここから先は炎がなくて真っ暗なので、師匠が先頭だ。昨日と同じように鞄から紙を取り出して地図を書き込んでいく。


 脚はかなり疲れてはいるものの、骨が折れる地図作りをやっていなかったので、昨日よりは元気が残っているように感じた。


 八、九と下るごとにモンスターは強くなっていったが、一体ずつしか遭遇しなかったのもあり楽々とはいかないが倒せていた。十階層への階段を下りると、急激にモンスターの数が増えたのが分かった。


 師匠の出す炎だけしかなく、遠くまで見渡せるわけではないが、気配が多いことは分かる。


「どうやら最奥部はこの階層らしいね」


 師匠がこちらを振り向かずに呟き、俺は剣を握りしめた。


読んでいただきありがとうございます。

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