表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/328

第十八話 ドラゴン討伐 其の四

 目が覚めると見慣れた天井があった。どうやら道場のベッドに寝かされているらしい。


 そういえば俺はドラゴンを倒したのか……? そのあたりの記憶が曖昧でよく覚えていない。たしか師匠がよく頑張ったね、って言ってくれて──


「コルネくん、起きたようですね」


 俺が目を覚ましたことに気付いたヘルガさんが師匠を呼ぶと、ドタドタという音がこちらに向かってくる。


「おはよう、コルネくん。体は大丈夫かい?」

「なんともないです」


 あのときは本気で毒の魔法を使ったはずだが、もう息苦しさは感じない。


「よかった……でもあれは今後あまり使わないようにね」

「もちろんです」


 俺だってあまり使いたくはなかったが、あれしか使えるものがなかったから仕方なく使ったのだ。まあ俺が戦闘不能になっても師匠がどうにかしてくれるという絶対的な安心感はあったが。


「それにしてもすごいじゃないか! 幼体とはいえドラゴンを一人で討伐するなんて!」

「いやあれは師匠がいたから──」

「僕は何もしてないよ。これはコルネくんの功績さ」


 記憶にある限りでは思いっきり片前脚を切り落としていた気がするが……それは直接の死因ではないのでノーカウントというやつだろうか。


「その功績を讃えて、この後市長から表彰される予定になっているんだけど、式典には出られそうかな? 向こうも昏睡していることを伝えたら無理にとは言わないという話だったけど」

「たぶん大丈夫だと思います。疲れもないですし」


 表彰式にはおそらく出られるが、今昏睡という単語が聞こえた気がした。


「言ってなかったけどコルネくん、あれから丸一日寝てたよ」


 丸一日も寝ていたなんて……道理で外が明るすぎると思った。今後毒の魔法は滅多なことでは使わないでおこうと心に誓った。




 街の中心にある広場のステージで俺は市長さんと相対していた。


「コルネ殿、ラムハの街を守っていただいたこと、市民を代表して深く感謝いたします」


 深々と小太りのおじさんが頭を下げる。そうか……ドラゴンを倒すことで俺はラムハの街を守ったのか。あのときはドラゴンを討伐することしか頭になくて、今になってその考えに至った。


「──その功績を讃えてここに表彰いたします」


 その声を聴くや否や、周りから割れんばかりの歓声が押し寄せる。


 周りを見ると、屋台で串焼きを売っていたおばさんや野菜を売っていたおじさんなど見知った顔がちらほらと見えた。ああ、この人たちの暮らしを俺は守ったんだという実感がだんだんと湧いて、自分がとても大きなことをした気がしてきた。


 街の人々に軽く手を振り返す。


これで少しは兄さんに近づけたかな、アルノ兄さん。


読んでいただきありがとうございます。

下の★★★★★のボタンで評価をしていただけると嬉しいです。

また感想、ブックマークなどの応援もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ