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第7話 緋色の工匠

~ 商店(買ってけドロボウ!)前 ~

店主「やぁ、フィー。また随分ボロボロだね」


あ、店主さん。こんにちわー

途中までは上手く行ったんだけどね、

ホーンラビットが痺れ状態から抜け出して

体当たりしてきたんだよ・・・。

おかげさまで酷い目に合った。


店主「そんなに泥だらけだと、市場の人の噂になるね。

   タオル貸してあげるから、拭いていきなさい。」


店主さん、ありがとう!

そうそう、森の中で変わった琥珀拾ったんだけど、

これ、琥珀なのかな?


店主「変わった琥珀?虫とか化石入りなのかね。

   どれどれ・・・コイツは・・・。」


どう?珍しい琥珀でしょ?


店主「悪いことは言わないから、これはマイスター以外には見せないこと。

   特に市場の中では絶対に出してはいけない」


え、なんで?


店主「マイスターに聞けば判るよ。ともかく、それは絶対ほかの人に見せてはいけない。

   また、取れた場所も言ってはいけないよ。いいね?」


う、うん。判った。


店主「誰にも見られてなければ良いのだけど・・・」


???:「・・・。」


~1時間後~


おやっさん「まだ帰ってこないのか、あいつは・・・。」

行員A「そろそろ帰ってくるんじゃないっすか?

    腹減ったーっていって、ひょっこり来ますよ。」


~ 緋色の工匠に到着 ~

おやっさーん!ただいまー。腹減ったー!


おやっさん「おう。遅いじゃないか。

      どこで道草を・・・って、随分ボロボロだな。

      まさかアイツ(ホーンラビット)に、馬鹿正直に

      正面から喧嘩を売ったのか?」


違うってば。ちゃんと、くくり罠と痺れ茸使って、

相手が動けなくなったのを確認してから角を取ったよ。

ただ、動けないはずのホーンラビットが急に体当たりしてきて、

ちょっと気絶しただけだって。


おやっさん「おまえな・・・。無事だったからいいけれど、

      おまえの母親(シルフィー)に見つかったら、俺がこっぴどいめに合うじゃないか。」


???「誰が酷い目に合うって?」


おやっさん「げ、シルフィー。居たのかよ」


シルフィー「随分な挨拶ね?折角工匠の方に武器と防具の修理を依頼に来たのに。

      市場で噂になってたわよ。ウチの娘がまたボロボロになって帰ってきたって。

      あと、ウチの娘に随分な大役を任せたそうじゃない?」


グリグリとウチの母さんはおやっさんの足を踏みつける。

軽金属製のグリーブだから、結構痛そう・・・。


おやっさん「お、おう・・・ボロボロになったのは悪かったが、

      お前さんのところの娘っ子は腕っぷしが良いからな。

      身長が足りないぐらいで、衛兵にしない頭が固いところには

      勿体無いぐらいだ。」


シルフィー「それは参事会に言ってちょうだい。

      私だって活躍を期待してたんだけどね。」


気にしてるんだから身長が低いって言うなー!


シルフィー「夜も寝ないで、本ばっかり読んでるから身長が伸びないのよ。

      こればっかりは自業自得ね」


ぐぬぬ・・・。


おやっさん「で、肝心の物は取ってきたのか?」


おやっさんの作業台に置いてあるよ。

立派な角で傷が無いから、今度のパレードは大分栄えると思うけど?


おやっさん「どれどれ・・・。おう、やるじゃないか。

      これだけ立派な角なら参事会も文句言わないだろう。

      ほかに素材があるなら、買い取るぞ?」


木の実と、小さい琥珀しかないなぁ。

そういえば、この琥珀、ボンヤリ光ってるんだけど、

琥珀って光るんだっけ?


おやっさん「いや、琥珀は光らんはずだが・・・。

      おめぇ、これはどこで見つけた?」


木漏れ日の森の入って1時間ぐらいのところ。

丁度、3本杉がある近くだけど、なんで?


おやっさん「これは大地の輝石といって、安物の鋼材に混ぜると硬くて粘りを増し、

      更に刃こぼれしても自然と回復する用になる。

      当然、玉鋼に混ぜればより素晴らしい一級素材にする事が出来る。」


おやっさん「だが、こいつは早々取れるもんじゃない。

      長く自然が豊かだった場所の深い地面に出来るからだ。

      たまに、表面に析出する時もあるようだが・・・。」


シルフィー「これは・・・参事会に報告する必要がありそうね。」


え、もしかしてこれ見つけたの不味かった?


おやっさん「いや、不味くはない。むしろこれを見つけたのは凄い発見だ。

      だが、ほかの人に見つかって噂になるとちとマズイ」


なんで?


シルフィー「ある意味、金や銀より価値のあるからよ。

      包丁とか工具とかに使われる程度なら良いのだけど、

      武器や防具に使われるととても強力になるから。」


シルフィー「商人が飛びついて、自然を荒らしても困るし、

      他国に売り払えば、それだけ兵力が増す事になるから争いの種が増える。

      だから、国が責任を持って管理しないといけないのよ。」


でも、そういうのって本とか学校で習わなかったけど・・・。


おやっさん「まぁ普通はそんなに見つかるものじゃないからな。

      ここ10年見たこと無いぐらいだ。だから学校でも教えん」


シルフィー「とりあえず、その大地の輝石は預かるわ。

      一旦家に戻って、治療と食事にしてからフィーも参事会にいきましょう。

      武器と防具の整備、任せても良いわよね?」


おやっさん「おう。任せな!」

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