第6話 さぁ帰ろう
夜が明けた。
一人しかいないので、あまり深く寝れなかったけど、
それでも体は幾分か良くなった様だ。
とはいえ、体中土だらけで気持ち悪いし、
あちこち痣があるので、早く家に帰って治療したいところ。
それに、あんまりマイスターを待たせると心配させちゃうしね。
幸い、ホーンラビットの角は、
そのまま木の近くに置いたままになっていた。
悪戯好きのサーサル(悪戯好きな上に偉そうな態度の猿なので
皮肉を持ってSirの称号がついた)に持っていかれる
可能性もあったので、助かった。
さって、火は消して灰等は土の中に埋めたし、
防火処理はしっかりやったので、森から出よう。
ついでに木の実や、細工で使う琥珀とか見つけられると良いな。
~1時間後~
うーん。木の実は手に入るんだけど、
やっぱり琥珀はそうそう見つからないか・・・。
すごく小さい琥珀は手に入ったんだけどなぁ。
この琥珀、小さいけど随分綺麗だなぁ。
でも琥珀ってボンヤリ輝いたっけ?
不思議なこともあるものだと思いつつ、
琥珀をウエストポーチにしまう。
ほんのりと暖かな気持ちになりながら森を抜け、
急ぎ、マイスターのところに戻るのであった。
~2時間後(10時ぐらい)~
やっと防壁の門までついた。
疲れた~
守衛さんA:「随分ボロボロだが大丈夫か?」
へーきへーき。
いつもこの位になって帰ってきてたでしょ?
守衛さんB:「そりゃそうなんだが・・・おまえさんのところのマイスターが
まだ帰ってこないのかと、エサを取り上げられた犬みたいに
ずっとウロウロしてたぞ」
げ、やっぱりおやっさん心配してたかぁ。
こりゃあとで怒られるかなぁ。
お説教長いんだよなぁ・・・。
い、急いでマイスターのところに行ってくるよ!
守衛さんA:「そうしてやるといい。安心するだろうから」
急ぎ、おやっさんのいる緋色の工匠に足を向けるのであった。