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第3話 罠を仕掛けよう

商店から一番近い防壁の門から歩いて

約2時間ぐらいの場所にある木漏れ日の森についた。

ここは薬草や木工細工で使える木々が多く、

凶暴な野獣が少ないので、住民には重宝している森だ。


その中で一番厄介なのがホーンラビットで、

普段は大人しく、臆病な獣なのだけど、

追い詰められると彼らは長さ1.5m位にもなる

凶悪な角で一刺ししようとしてくる。


毎年2~3人ぐらいは事故が起きているので、油断は出来ない。

なので、ギルドでは狩るときには、二人一組(ツーマンセル)

一人が注意を引き、もう一人が安全な位置から

攻撃するように必ず指導されているらしい。


とはいえ、角の一撃さえどうにかすれば良く、

ペアの大切さを説くのにうってつけの獣であり、

最初にギルドに入ったときに行われる、

討伐試験の対象となっている位には弱い。


今回はそのホーンラビットを一人で狩らないといけないので、

普通に戦うと大怪我をする可能性がある。

頑張れば倒せないことも無いけど、怪我する可能性を考えると・・・

うーん。ちょっと面倒だなぁ。


そこで、ワイヤーを使ったくくり罠を何箇所かに仕掛けて、

足止めしたところに痺れ茸を含ませた粉を吸わせることで、

動けなくなったところで、角を切り出そうかと思う。


無駄に殺生するのは気が引けるので、

角が折れたり、無くなったホーンラビットが、

脱兎の如く逃げるの習性を利用する。


彼らの獣道はすぐ分かるので(なんせ体格が2mを超える大きさだ)

通り道から少し外れた場所に好物の木の実を置いておく。

ただ、普通に木の実を置いただけだと警戒するので、

周囲にいくつかばら撒いといておびき寄せる必要がある。


深く入ってきたところで、足を踏み入れると罠が作動して、

ワイヤーが絞まり足を締め上げて動けなくする。

時間はかかるけど、安全に狩りをするにはこれがうってつけだ。


ただ、自分がかかったらとても痛いし、ほかの人がかかると危ないので

罠があることを示す札を近くの赤布を近くの木にくくりつける。

そして、罠の上に丁寧に木の葉を重ねていく。

ホーンラビットは意外と賢いので少しでも怪しいとすぐに逃げてしまう。

手を抜くことは出来ない。


罠は3つ用意した。

二つの罠はいかにも罠がありますよーといった感じで

地面を穿り返した土を周囲に散らしている。

多分これにひっかかる獣は居ないだろう。


本命は残りの罠で、穿り返した土は

残り二つの罠にかける事で、最後の罠の方は

ほぼ元の自然な状態の様に見える。


そう、罠2個は警戒されることを期待し、

残り1個が自然のままなので、こっちは安全と思わせることで、

相手が油断し罠に引っかかるのを狙うのだ。

あとは獣がかかるまで持久戦かな。


私は気が長いほうなので、のんびり待つ事にしよう。

匂いは風魔法で適当に散らせば、ばれないだろうし。





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