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O25:ズァークの決戦 前篇

アエナ・マクスウェルの攻防は続く。

そして、彼女たちの前に現れる難敵とは!?

 アエナとナーレはアークラインの指し示す通り、ズァークへと戻ってきた。そこは以前の儀式による爆発によってイフェイオンが陥落して荒れ果てた姿へと変貌していた。

大気圏突入後、少し飛行してあたりを見渡すとそれが顕著に表れていた。すると、突然下の方から影が現れ、舟の外装を掴んで引きずり降ろそうとするものがいた。映像で確認するとそれは紛れもなくバラッカスだった。


「あいつ、まだ生きてやがったのか!?」


「このままじゃ墜落しちゃう!! 壊れないように不時着できるところを探せる? 何とか高度を保ってるから!!」


「なんもねえよ! 胴体着陸?するしかねえだろ!」


「ちょっと、無理かも…。 ザギャがいてくれたらよかったんだけど!!」


そうこうしているうちにアークラインは機体のバランスを絶妙に保ちながら砂ぼこり舞う地面に何とか着陸していた。バラッカスは外から狂気じみた顔で外装を叩き始める。アエナとナーレは急いで外に飛び出してバラッカスを船から遠ざける。バラッカスも抵抗するも彼女たちの猛攻には耐え切れず、押されていった。


「バラッカス! 今度こそ、ここで決着をつけてやるわ!」


「海賊の女どもめ、ここで我がやられるわけにも行かんのだ! ちょうどいい。今日は新入りを紹介してやる。」


そこに現れたのは骸骨の面をかぶった男だった。その男は銃と剣を持ち寄ってこちらに歩み寄ってきた。銃をこちらに向けて発砲するとものすごいスピードでアエナに突っかかってきた。アエナもとっさに大剣で挑むが、相手の剣筋はその大剣をも凌いだ。


「この人、めちゃくちゃ強いかも…!?」


髑髏面の男はさらに鍔迫り合いの際に銃を突きつけ乱発した。アエナはのけぞり、後ろへ追いやられてしまった。入れ替わりにナーレがベアトリクスを使用して髑髏面を一刀両断した。すると髑髏は真っ二つに割れ、割れたその先には彼女たちが慣れ親しんだ顔であるアッシュ・ゴ・ルドーがいた。彼は仮面が外れてもなお、正気ではなく彼女たちに牙をむく。


「アッシュ! あなた何してるの! 何があったの!?」


アッシュは答えることはなく、ただ、ナーレのベアトリクスを取り上げるように両手に向かって正確に弾丸を当てていった。ナーレは大斧ベアトリクスをはじかれ、大きくのけぞるが、その勢いで後ろに飛んだベアトリクスを掴み、アッシュに振りかざした。


「てめえ! 何の冗談だアッシュ!」


「…倒さなければ、偉大なる父のために!」


「父?どういうこと?」


「おや? 知らなかったのか? こいつの本名はカイル・カリュガ。吾輩、バラッカス・カリュガの実子である! まあ、先ほど分かったことだがな。」


「嘘だ!!」


ナーレがバラッカスの方へベアトリクスを振り回して立ち向かうとアッシュが颯爽と現れ、ナーレと競り合いになる。そこにアエナがバラッカスに向かう。


「あなたが変なこと吹き込んだんでしょ!」


「さあな。 だが、我がカイルはジェノサイドの血を引いている!」


バラッカスの大きな拳はアエナを吹き飛ばした。その後、水平線の向こうから甲冑の男が現れた。彼はミュートに現れた幹部のようだ。


「ジーク! いままでどこほっつき歩いてたんだ! まあいい、女の相手でもしていろ。我はフォトンベルトの道筋を探る。」


ジークは左手に持った細長い剣をアエナに向けた。


「左利き? やりにくいわね。」


ジークとアエナ、そしてナーレとアッシュがそれぞれ向かい合いながらバラッカスを渋々見送っていた。


「偉大なる…父のため!」


「いつからそんなファザコンになったんだよ!」


「お前たちにはわかるまい! すべては俺がいたから…俺が父の、バラッカスの期待に応えられなかったから!」


アエナがアッシュのほうを目で追っているとジークは魔法陣を利用して鎖をアエナに縛り付けた。


「よそ見をするな、小娘! 私が相手だ!」


縛りつかられたアエナは空中で縛り付けられていきそれをたどってジークはアエナを切り刻んでいく。大剣を正面にして守っていたからか何とかなったものの腕からは大量の血が流れていた。アエナはそれを気にする暇もなく、右手だけでふらふらになりながら剣を振っていた。


「この力、ヨントゥムの魔力?」


「アイリスタルの魔鋼甲冑だ。誰も私を止めることはできない! すべてはバラッカス様の野望遂行のため!」


「偉大なる、父のため!」


「うるっせえんだよ! アッシュ、あんたに何があったかは知らねえけど今のあんたを止められる方法は一つ!」



そういうとナーレはベアトリクスを地面に刺し、手を大きく広げた。すると、アッシュの周りに結界が張られた。


「アエナ嬢! アッシュはこっちに任せて! その白いの時間稼ぎしておいて!」


「無理なことを押し付けて… おりゃ! 分かったわよ! その代わり成果なかったらぶっ飛ばすわよ!」


「言うようになったじゃん」


ナーレは魔法の呪文を唱えていった。するとアッシュの体からワームホールのようなものが出現していった。そしてナーレは結界の中に入り、精神統一すると魂のようなものがひゅうっとそのワームホールの中に入っていった。

次回、真実は動き出す

「ズァークの決戦 シン篇」

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