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【完結済】冴えないワタルは異世界勇者より勇者らしい。  作者: 小鳥 遊
第二章:やはり冴えないワタルは勇者らしい。第一部;終わらない旅
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第O17話:強襲艦ノヴァ 襲来

ギガノト、ジェノサイド、ビーコン海賊団…三つの勢力は混乱を極め、やがて銀河連邦をも引き寄せた。銀河を駆け抜け、異次元の世界を救え!

御堂は駆けつけてワタルが落とした銃を広い、尋問した。

「おい、お前はなんだ! 何者だ!」


ワタルは異様な姿から、元に戻り、意識を取り戻しつつ

「ボくは、さ江内 渉、他の何者でもない。」


御堂はそっとワタルに銃を返し、ビーコン護衛に向かっていったゼントの方へと向かっていった。

ゼントは冷静に二人と話した。


「とりあえず、何とかなったようだな。ワタル、その奴隷女を連れて戻ってこい。」


「奴隷女じゃ、ありませんよ! か、彼女は、、そういえば、バタバタして君の名前聞いてなかったけどなんて言うの?」


彼女は首をかしげるも、ぽそっとつぶやいた。


「? ん、み、ミア…。」


「ほら! この子にも名前があるんだ。ちゃんと名前で呼んであげないと! ミア、僕はワタル。ちゃんと、ついてきてね。」


ワタルはミアの手をつなぎ、ビーコンへと向かった。

その後、ザギャにゼントがゲンコツをかました後、ビーコンに乗り込んで一旦その場を離れた。


ゼントはザギャの操縦席の背もたれに肘をつき指示した。


「ザギャ! やらかした分はしっかり働けよ!! 船長の義足の信号を追って合流するんだ。」


「わかったから、、どなるな。」



ビーコンはギガノトの都市上空を飛んでいると、こちらに走ってくるアッシュたちが見えた。

彼らと共に、その奥でバラッカスが追いかけているのが見えていた。倦厭しつつも上空を飛翔し続けていると、急にビーコンが傾き始めて、地面に引きずられていった。ザギャは、急な機体の操縦不可能な状態に陥っても、冷静に対処したおかげか、特に大きな外傷はなく不時着した。


バラッカスは邪悪な笑みを浮かべて


「バッカーノ将軍、よくぞ海賊の船を止めたな。」


「こいつらが、デスモフを殺ったのでしょう。報復せねば俺の怒りは収まらん。」


アッシュはアエナ、ナーレを引き連れてビーコンのバッカーノ将軍の元へと向かった。そして彼は、銃を構えて


「俺のふねに手ぇだすんじゃねえよ!!」


閃光と共に銃声が何発も聞こえるが、バッカーノの鎧には傷一つつかず、顔や体にもあたっていなかった。


「この俺、バッカーノ様特注の籠手ガントレットが貴様の弱々しい銃で勝てると思っているのか?」



「俺のジャルサーD48が効かねえってどんな装甲してんだ!」


「んじゃあ、私のベアトリクスも効かねえのか!?」


ナーレは焦った顔でアッシュを覗くと青ざめた表情で


「ああ、おそらくな。」


とぽつりと返しただけだった。一方アエナは後方でバラッカスの侵攻を食い止めるため、再度ビーコンから離れていた。


「女!! いい太刀筋だぁ。だが、狂気が足らねえなあ!」


振り続ける剣を噛んで、アエナごと持ちあげ、左右に振り、そのあと、振り落とすとともに、剣をかみ砕いた。振り落とされたアエナは地面に落ちようとしていたが、ワタルが助けにやってきたのだった。


「アエナ、助けに来た…よ。」


「ワタル、あなたそれ、また力を使って!!」


「多分大丈夫。一時的なら一部の力は使えるようになったんだ。それよりも、今はビーコンに合流して!」


「あなたは?」


「ちょっとだけ時間を稼ぐ。」


アエナは気を付けてとだけ残してそこを後にした。バラッカスが岩のような拳を振り下ろすと、ワタルはぎりぎりでよけきり、銃で何発か打つが、聞いていないようだった。


バラッカスはどんどん近づき、ワタルをデコピンで吹っ飛ばした。


「フン、新型のイレーザー型ブラスターマグナムでもこの程度の威力か。時間稼ぎにもならん。この騒動じゃ、あいつらが来る。ノヴァが現れたら今は面白くない、力を温存するためにもデスクローチを撒いて帰るとするか。」


「兵士の命をなんだと思ってるんだ!!」


「誤解するな、デスクローチは生き物ではない。兵器だ。じゃ、楽しめよ。」


左手の腕時計のような機械を操作すると、バラッカスは一瞬で消えてその代わりにはデスクローチの軍隊が銃を一斉にワタルの方に向ける。ワタルは同じように銃で複数討伐した後、ビーコンへ合流した。


そこには、もうバッカーノもいなく、同じようにデスクローチだけがビーコン周辺を襲っていた。

ナーレ、アエナ、御堂、ドゥージャそれぞれの位置で防衛していた。

アッシュとザギャは船の修理に悪戦苦闘していた。ワタルも防衛に加わるも状況は悪化する一方だった。

ギガノト人たちが加勢してきたのだ。ギガノトはデスクローチを薙ぎ払いながら、こちらに向かってきていた。アッシュもそれに気づき、外に出て加勢した。


アッシュ、ナーレ、アエナはギガノトの戦闘に立つ男を見たことがあった。その男はキュレトーだった。キュレトーは「太陽」のようなシンボルマークの旗印を掲げ、大きな声で同胞を鼓舞した。


太陽神オル・ホルスの名のもとに!」


「「「「「オル・ホルスの名のもとに!」」」」」


キュレトーの剣先はアッシュの持ち合わせのサーベルにいきわたり、アッシュは問いかけた。


「何してんだ、クソ野郎!!」


「よく聞け、私はこの星を守りたいだけだ。 だから、リングを預ける。」


「なぜ?」


「我々は君たちのように自由に宇宙を旅できない。 ならば、君たちに託すしかないだろ? その代わり、バラッカスを絶対止めろ。いいな?」


アッシュは鼻で笑い飛ばし、


「命令されなくても、宝は自分の意思で守るもんだ。そうだろ?」


「宝、か、いいだろう。我々の宝、持っていけ。」


宝を受け取り、ビーコンに戻ったところで上空に巨大な船影が地に降り注いだ。


何も知らないギガノトの民は船影に向かって称えるように


「ノヴァだ!」

「銀河連邦が来たぞ! 暴動を止めてくれ!!」


ノヴァと呼ばれた船からは女性のような声が響いてきた。


『こちらは銀河連邦総司令部、強襲艦ノヴァ。この艦からの命令は総督命令である。だたちに停戦し、海賊は武装を解除し、投降せよ。』



アッシュは慌てて全員を引き連れてビーコンへと乗らせていった。


「あいつらに捕まったら監獄送りにされちまうぞ! 今までのこと無下にしたくなかったらさっさと乗り込め!!」


ワタルたちは言われるがまま乗り込み、ビーコンは離陸していった。しかしノヴァはそれを許さなかった。

ノヴァから放たれた丸い二つのボールのようなものはビーコンを自動で追尾し、ビーコンの船体にひっついた。引っ付いたと同時に電撃を起こし、ビーコンのコントロールを奪った。


かくしてビーコンは強襲艦ノヴァによって連行されていったのだった。

目指すは銀河連邦の本部、『イフェイオン』










第一部完!!

次回からは第二部『最期の旅』編スタート!

次回、O18話:「イフェイオン会議」

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