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【完結済】冴えないワタルは異世界勇者より勇者らしい。  作者: 小鳥 遊
第二章:やはり冴えないワタルは勇者らしい。第一部;終わらない旅
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第O14話:ギガノトの三すくみ ~前章/前哨~

御堂葉月は妹・美月を救い出すことに焦り、いらだちは募る一方だった。

佐江内渉もアエナの力になれないことを焦り、自分の力を制御できないでいた。


二人は歩み寄ることができるのだろうか。

 少女は当たり前だが、葉月の妹ではなかった。葉月とは違い、エルフ族の特徴であるとんがり耳があったので冷静になればわかるはずだった。だが、彼は冷静を欠いた。あまりにも顔が彼の妹、美月に酷似していたのだという。葉月は肩を落とし、部屋へと戻っていった。


アエナは腕を組み、ハズキを目で追いながら、

「まあ、気持ちはわかるけどね、妹さん一心でここまできたもんね…。あの子、安らいだ顔で寝ちゃったから名前聞きそびれちゃった。」


アエナが、医務室へ彼女を連れて行ったあと、管制室でぽそっとつぶやいた。

ドゥージャがシガールを吸いながら


「なら、俺たちより、バラッカスについたほうがいいんじゃないの?その辺どうもよくわからん。ワタルのことも気に食わなそうだし。」


アッシュは煙たがりながら


「どーでもいいんだよ理由は。あいつはあいつなりに宝を取り戻すためにがむしゃらやってんだろ。」


「キャプテン、つっ、次、どこ?」


ザギャが舵を取りながら聞くと


「ギガノト、、そこでジェノサイドと落ち合うのさ。」


ドゥージャが拳を鳴らし

「とうとう、本丸叩きか。あいつらより先に手に入れないとな。」


「そして、あいつらのリングも奪う!! 」


さらに、アッシュは続けて

「お前ら、ギガノトに降りてからの動向を二手に分ける。俺、アエナ、ザーラはギガノト星人とコンタクトをとる。ゼント、お前はハズキとワタルを訓練してやれ。あいつらは荒いが素質がある。特にワタルには、例の“アレ”を使うことよりか銃を教えた方がいい。使ったらお前を敵として殺す。いいな。」


アッシュのひょうきんな態度が一変に豹変して少しドキっとしたが確かに今の僕にできることは力を使うことじゃなくて力を使わずに助けになることが近道なのかもしれない。でも、御堂くんとか、ちょっとやりづらいな…。


ザギャが、少し落ち込んで


「また、留守番、、。」


アッシュが少し笑って


「お前は戦いに関してはハズキにも及ばないだろ。それよりも、俺たちがいつでもここに戻ってこれるように、離れられるように整備をしてくれ。それができるのはお前の腕しかないだろ?それに例のも面倒みててくれ。」


「…アイアイサー(わかった)。 キャプテン。」


大きな揺れが船を襲った。ギガノトの大気圏に突入したのだろう。船の甲板のウインドウは耐熱シャッターでおおわれていき、サーモセンサーモニターでの突入は艦内は熱を感じないものの、モニターに映る赤く、まぶしいほどの光が襲って船がごうごうとうなり、燃え盛る様子が熱くさせた。大気圏侵入に成功すると青空が広がっていた。そこには虫とも鳥とも言えない生体が群になってはばたいていた。大きさはビーコンにも引けを取らない大きさだった。地上を見下ろすと石でできた建造物がちらほらと見えていた。だがどれも異常に大きいようにも見える。気のせいだろうか…。


ビーコンは人気のなさそうな森林に着陸した。やはり木々も大樹以上に大きい。10階建てビルくらいはあるんじゃないだろうか。ワタルたちは地上に降りるとその想像以上の大きさに見上げるしかなかった。


ワタルはあたりを見渡してのんきに

「なんだか、自分たちが小さくなった気分だ。」


と言って葉月もあたりを見渡して、アッシュに突っかかりながら

「美月のいる船はこの星のどこかにあるのか。」


「まあ、焦るな。お前も妹を助けたいなら、その荒っぽくて危なっかしい戦い方を何とかしないとな。訓練はドゥージャ副船長に任せてある。ワタル君と一緒にせいぜい訓練に励みたまえ。」


「なんで俺がこんなバケモンと一緒に、っておい!!」


アッシュ、アエナ、ザーラは茂みを颯爽と抜けていき、もう見る影もなくなっていた。


ドゥージャがシガール咥えながら、ため息をついた。吐いた息は独特な甘い香りがしていた。


「ま、ということだ。俺がお前たちを実践で役の立たない駒から役に立つ駒にしてやる。」


葉月がまたもつかかって

「ふざけんな、なんで俺がお前の言うことを聞かねぇといけないんだ。」


ドゥージャがシガールを捨てて靴で吸い殻を踏み消して

「なら、妹さんを助けるのはやめるか? 俺は別にどうでもいいからな。」


御堂は怒りを抑え、握った拳を下ろした。


ドゥージャは自分のコートから小型の銃を取り出してワタルに手渡して

「さあてと、訓練といえど丸太を相手にしたって芸がない。どうだ、お前たち二人でタイマンしたらどうだ。動きのアドバイスくらいはしてやる。ワタルはこのペイント弾入りの小銃で、ハズキはアエナのお嬢ちゃんから借りてきた、この鉛製の円形盾をつけろ。お互い実戦で使ってる銃と盾の使用は禁止だ。」


お互いに見合い、静寂からドゥージャ・ゼントのレーザー銃の銃声を合図に訓練は始まった。


次回はアエナ視点でギガノト星人と対峙します。


次回「ギガノトの三すくみ ~対峙/退治~」

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