第07話:それぞれの旅立ち
ほぼ1カ月ぶりになって申し訳ないです。
前章のメンバーや設定を引き継いだ今回でだいぶ前章を見直しました。
粗いもののすげー熱量だなって思いました。
負けずに頑張りたいですね。
ワタル達の話しあいは外の騒音で断ち切られた。
洞窟を出ると大きな土煙が彼らを襲った。
すると、アエナが何かに気づき
「ウガルから通信が入ってたみたい。 誰かと交戦中のようだわ。助けに行きましょう。」
ワタルはウガルという名前を聞いて懐かしい気分になった。彼に何かあってほしくない思いで自分の体を奮い立たせ、彼との記憶をかみしめて交戦場所へと向かっていた。
僕とアエナのために頑張ってくれたウガルさん。また一緒に戦えるなら、頑張れるかもしれない。御堂くんともなんとかなるかもしれない。彼を助けよう。話はそれからだ。
ワタル達は急いで煙が立ちこめた方へ向かった。土煙が激しくなっている。それほど激戦なのだろうか。とにかく、急いだ。
辿り着くそこには見たこともない獣と甲冑を着た謎の人物が戦っていた。
僕はウガルさんを助けにきたのにこの光景は何なんだ。意味が分からない。
アエナが焦った声で
「ウガル! あなた指輪の力を使ったのね! ・・・どうなるかわかってるでしょ、、」
あの獣がウガルさんだっていうのか? 僕を元の世界に返してくれた恩人である彼だというのか?
とりあえず、ウガルさんを援護しようと言おうとしたその時、甲冑の人物はこちらに気づき、余裕の表情になり、ウガルの大きな図体から心臓を的確に腕の装甲に隠し持っていた鉤爪状の剣で刺した。
甲冑の人物は甲冑越しの顔でほくそ笑みながら
「仲間の突然の死、それは戦いを盛り上がらせる最高のスパイス! さぁ、怒れ。そして俺を楽しませろ!」
涙も出ずに僕は素手で甲冑の人物の元に向かった。もちろん、相手は武器持ちだ。勝ち目がないなんて分かっている。でも体が、心が動かざるを得なかった。悲痛な叫びをあげながら殴りかかるも、吹き飛ばされてしまった。やり場のない怒りがワタルだけでなく他の人たちにも伝播していき、ウガルを知る人間は次々とその甲冑の人間へ飛びかかっていった。しかし、彼は怯まずに甲冑ごしでも分かりそうな黒い笑顔を浮かべて左手を意味ありげに天高く挙げた。そうすると強烈な光と共に黒い集合体が数百現れた。その容姿は地球のゴキブリのように黒光りの輝きと昆虫のような顔つきをした二足歩行の生物だった。
「我々、帝国の持つ生物兵器“デスクローチ”だ。さあ、存分に戦いたまえ。私は、お暇させてもらうよ。アデュー!」
御堂葉月は急に飛びだし、デスクローチの大群をかき分けて踏み台にして小型円盤に乗って離脱する甲冑の人物に取っ組みかかり
「おまえ、妹を誘拐した宇宙人の仲間だな!? 教えろ! 美月は、妹はどこだ?」
「おま、どんな身体能力してんだ。 降りろ!」
不安定に円盤が揺れ、大きく振り子のように降られ、葉月は落とされそうになったがそれでも甲冑の人物を放さなかった。
「お前達が時の巫女とかに選んだかのかは知らんが、俺の大事な妹に手を出したのが許せねえ。返してもらうまで、てめえを放さねえ。」
だが、ジークの蹴りで葉月は地面にたたきつけられ、意識を失った。ジークも宙域で止まっていた船に乗り込んでいってしまった。
アエナやアッシュ達はデスクローチの死に恐怖しないような特攻戦法に防戦一方でワタルもやみくもに戦っていた。彼には以前のように剣もなければ魔王の力も引きだす術を忘れていた。
とうとう雑兵のリンチに体が耐えきれず、ワタルは気絶してしまった。
気絶するワタルをよそにアッシュたちはデスクロ―チの猛攻を抑えるので手いっぱいだった。ナーレも非戦闘員のザギャが船のメンテナンスをするのを守ることで精一杯だった。
ワタルは暗黒にいた。暗い闇をなぜか茫然と立ち尽くしていた。
「(なぜ僕はこんな所にいるんだろう? もしかしていままでの事は夢だったのか?ハハ、そうだよね。多分、宇宙人が来たのも本当は地震かなにかでそれで被災して意識を失ってるんだ)」
あまりにも多くの事を経験し過ぎたワタルはとうとう現実逃避をしているようであった。彼は深層をさまよい、途方に暮れていた。何もできない自分に嫌気がさし、けだるさと虚しさが心に波風を立たせた。
そこに、スポットライトのような光が差し込むと誰かが座ってこちらを向いていた。それは男の声で
『よォ・・・。だいぶ混乱してるみたいだなァ。』
「(なんなんだあの人は、、)」
『オレだよ。ゲイザーというお前の左目についた魔王だったものさ。今じゃ、見えない壁に閉じ込められたペットだけどな。なあ、もう一度オレと組まねえか?悪い話じゃない。お前は力が欲しいんだろ、女を助けたいんだろ。』
悪魔の声と共に自分の目の前にさっきまでの戦闘までの記憶が写真のように切り取られ、ワタルの目の前をぐるぐると回っていた。ワタルは、ふとこれは現実に起きていることなんだと確信した。そしてアエナを助けたい。自分の居場所である地球が滅び描かているのを何とかしたいという意志がふつふつと湧いてきた。
『お前のその痛いほどまでの何かを成し遂げたいと言う欲望を気に行ってオレはお前を選んだ。お前なら欲望をかなえる力を持つことができるぞ。どうする?』
「(やるよ、確か君にも借りがあった。今は君に体を預けよう。)』
彼は最後に何かを言ったような気がするが聞き取れないまま、光は強くなるとワタルは意識が遠くなるのを感じてた。
そして起き上がったワタルは、地球にいた頃の渉では無く、また、ワタルの姿でもない。そこにはサ・タールに似たような姿で現れた異形の魔剣士がいた。
地面に手をかざし魔法陣を出すとそこからいびつな剣を取り出すと背中から羽をはやしてアエナ達の戦っている前線のデスクローチ部隊の元へ飛び、デスクローチをなぎ倒して地上に舞い降りたその姿は地上に降臨し火をもたらしたとされる堕天使ルシファーのようだった。
前章と違って陰鬱とした状況が続くし中々進まないので
作者本人もしんどいです。
次回以降からは少し改善され行きますので引き続きよろしくお願いします。




