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断章『夏の日の夢』13

あけまして、おめでとうございます。


内臓を壊して二週間ほど入院しておりましたが、年明けギリギリに退院しました。

そういうことですのでエタることもなく、長らくお休みしていましたが再開となります。


次回こそ徳川ケイさんが大活躍するはずです。

タマモとケイは無数の怪異に追われ、その場にたどりついたように錯覚していたが、これは意図的な誘導だった。


そもそも、一般人からは認識出来ていないとはいえ、シルエットキャリバーという兵器を管理する者なく放置するという行為自体がありえないことだった。


たとえ、それが現実と隣り合う異界だとしても、現実世界における保守管理の状況は、なんらかの形で投影され、反映される。これが覆されているということは、明らかに何者かの意思による干渉でしかない。


「本来であればシュトレゴイカバールに招き、赤の女王と(あわ)せて覚醒を促したかったが……」


灰色の世界に建つ高層建築の屋上から、少女たちの去就を見届けている人物がつぶやく。


「南極ヴォストークでの戦いで、我等(メサイア・プラン)はあまりにも多くを失ってしまった。アルハザードめが未だ目覚めぬ現状では、そなたに目覚めてもらわねばなるまい……カレン」


第三次世界大戦末期には、その非人道的な行動により悪名で知られたアメリカ戦略機甲軍の式典用軍服をまとう小柄な人物――デービッド・ハザリアは、三門カレンがそのシルエットキャリバーに乗り込むことで生じるある現象の発生を期待して見つめていた。


番外である13体めのマグナキャリバー・暫定名イザナミが産み落としたその機体は、性能的にはシルエットキャリバーを大きく上回るが、乗り手を選ぶ。


日本政府そして国防陸軍の内通者を利用し、この情報を得たデービッドは、三門カレンをこの時と場に誘導するために手を尽くしてきた。


12基のVA源動基(モーター)については、古代トゥーレ由来の知識で、一定以上の情報を持つデービッドだったが、イザナミについて知ることは少ない。


もしもそこに大久保ハヤトを名乗る赤い髪の少年がいれば、イザナミという機体の姿は、西暦2009年に一文字キクカという娘が高次元波動(ロゼッタ・)変換想衣(クロース)をまとった姿に酷似していると指摘することもできたが、この時と場でこの情報をもたらす者は存在しない。


デービットにとって、徳川ケイというカレンの友人までもが同行してくるのは予想外ではあったが、観測したケイの霊力の数値では、国防陸軍の技術者がヒルコと呼ぶイザナミの落とし子を起動するには及ばないと確認もしている。


「乗り込むがいいカレン……そして世界を再び混沌に帰し、我等の導きの下で新たな秩序を――」


だが、危機的状況に陥ったカレンがそれに乗り込むよりも先んじて、ケイが行動を起こしていた。

彼女が用いた技法はデービッドが知る古代トゥーレ由来の知識に該当するものはなく、それゆえ、妨害するという判断も間に合わなかった。













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