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一、羊頭狗肉、其の一

かなりの悪ふざけです。

イマイチな可能性が否定できない・・・

俺はそこら辺によくいるただの歴史好きな高校生だったが気がついたら戦国時代に来てしまっていた。


しかし転生(?)したのは、何とあの武田家だ。

故其疾如風ゆえにそのときことかぜのごとく其徐如林そのしずかなるごとはやしのごとく

侵掠如火しんりゃくすることひのごとく難知如陰しりがたきことかげのごとく不動如山うごかざることやまのごとく動如雷霆うごくことらいていのごとしと書かれた旗の下、

武田二十四神将、武田四天王、武田四名臣などの名高き武将と天下無敵の騎馬隊を持ち

戦国最強の名将武田信玄に率いられているのだ。


かの織田信長でさえ直接対決を最後まで避けようとし、

長篠の戦いで壊滅的な被害を受けても七年も滅ばなかったのだ。

歴史好きな俺が指揮を執れば100%亡ぼさせない自信はある。





と調子に乗ってる時期が俺にもありました・・・




え?何でかって?まぁ、それはおいおい語るとしよう。


まず俺は・・・気がついたら戦国時代に来てしまっていた・・・

まぁ、それはいい。

しかし何故、戦国時代だって気づいたかというとこの世界に来ておよそ三年位たったころに、

永禄の変が起きたのだ。

永禄の変とは永禄八年つまり1565年5月19日に時の将軍である室町幕府第十三代将軍足利義輝が

松永久秀とその息子松永久通、三好義継の三人が率いる兵一万に襲撃を受け、御所で自害事件だ。


この事件が起きたことで数え年三歳の俺は1562年生まれだということが判明したのだが、

何か違和感があるのだ。

第一報が伝わるのも幾らなんでも早すぎるし、家臣の数も少なすぎる。

逸見が~とか丹波の松永が~とか朝倉に~とか甲斐だとしたら、いくらなんでも地理関係が

おかしい話題ばかりが出てくる。


しかし俺の違和感はただの勘違いじゃなかった。

違和感其の一、父上の出兵が内乱を鎮圧することを目的とするものである。

違和感其の二、戦の勝率があの武田信玄と比べるといささか低い。

違和感其の三、飯によく海のものが出る。

違和感其の四、武田氏の本拠は躑躅ヶ崎舘で平城というかただの舘であるはずなのに

俺が住んでいるのは大規模な山城だ。

違和感其の五、水軍が存在する。

違和感其の六、他国によく侵略される。

違和感其の七、冬にはありえんほど雪が降る。


うん、これは何かとてもいやな予感がする。

見過ごしたら俺の計画の根底から崩しかねない何かがある。


この時、俺は心の奥底では違和感の正体に気づいていたが、まだ目を背けていた。

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