47-Destiny Day-
深層心理の勘違い症状
天才的発想かつ自由的行動
正義活動の行き過ぎ
自由のための自己犠牲
最終話
運命の日
9月8日。
始業式から数日経った。
「・・・・・・」
「どうしたんだい?嘉島君」
その日の夜に唐突に現れた僕にそう言った。
「親に言って、しばらくこっちに腰を下ろすことにした」
「え」
「つーわけでよろしく」
「・・・・・・OK。いいだろう」
意外にも隼人は何も訊かずに受け入れてくれた。
「でも荷物とかはもう少ししてから持ってくる」
「そうか。紅茶飲む?」
「ああ」
隼人はキッチンに向かった。
俺はその間に着替えなどの軽い荷物を自分の部屋に置いた。
「・・・・・・」
それからリビングに入った。
隼人は既に紅茶を作り終えていた。もしかしたら、自分が来る前から作っていたのかも知れない。
「早く飲めよ。冷めたら美味しくなくなる」
隼人はそう言って、ソファに向かって右手を出して座るように促す。
俺はお言葉に甘えて座った。
「・・・・・・隼人」
「何?」
「何で来たのか訊かないのか?」
「訊いて欲しいのかい?」
隼人は俺の質問に意地悪な質問で返してきた。
「・・・・・・」
「まぁなんとなく分かってるさ。だから訊きはしない」
そう言って紅茶を口に含み、飲み込む。
それから、隼人は
「考え事をするときは、夜に散歩でもしながら夜空を見上げるといい。答えは見つからなくとも、気分は晴れる」
と言った。
「・・・・・・」
「12時までに帰ってきてくれ。帰ってこなかったら、鍵は閉めるよ」
隼人はそれだけ言うと、自分のカップを片付けてからリビングを後にした。
「・・・・・・見透かしてるなぁ・・・・・・」
俺はそう思って、紅茶の入ったカップを口に運んでいく。
そして全部飲み終えてから、隼人同様、片付けた。
それから外に出て街の方に歩いていった。
どのくらい歩いたかは分からない。
どのくらい滞在していたかも分からない。
「夜空・・・・・・ね・・・・・・」
そこには光が多くあった。
いつでも夜空には星と月が浮かんでいる。
それを毎日感じている人は居るのだろうか。
少なくとも俺は感じていない。
だって俺達は『当然=必然』ということを国語で学ぶほど、意識をそういう風に作られているからだ。
しかしその考えは間違いだという事を俺は今回痛感した。
アクター。
存在は人間そのもの。内部には別の人間。
有り得ないことが有り得てしまう。
「それにしても・・・・・・」
街にはまたも、犯罪が増殖している。
爆音を出して走り続けるバイク達。
どこからでも間違いが見つけられる。
狂った街と思わざるを得ない。
無秩序という単語を彷彿とさせるようなこの街。
時間が経って、季節が変わっても変わろうととしない街。
事件が起きても何一つ変わらない街。
そしてそこに住んでいる人々。
それらを見て、俺は思った。
「相変わらずだよな・・・・・・」
俺は思うところをぶちまけるようにそう呟いた。
9月8日。
運命の日。
地球は丸い。僕らの世界は紡がれる。
紡いだ過去は流さなくては。
丸く収まったこの世界に。
しばらくした後、全話『丸く収まったこの世界』に移行します。
その後、この作品は削除されます。
ご愛顧というか、お気に入り登録していただいた方々には申し訳なく思います。
ですが、まぁ・・・・・・すみません。