35-Make Magic-
※これは嘉島ではありません。
嘉島の姿をした何かです。
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「あーあ・・・・・・。終わっちゃったか」
男はそう言って笑う。それから元の車椅子に座り込んだ。
「今日元はもう2度と戻らないからなー・・・・・・。これからは現実世界ですごす事になるのか?」
「そのチャンスはないかな」
俺は立ち上がる。
「・・・・・・あれ?気絶してなかったの?」
「気絶したよ、アイツは。だから俺が代わりにでてきたのさ」
「はぁ?君、嘉島だろ・・・・・・って、ああ」
男は笑う。
「なるほど・・・・・・。そっちも最終段階にまでぶっとんだわけか」
男はそう言った。
「ちげーよ。最終段階何かでてくるわけ無いだろうが。お前ごときに」
「・・・・・・何だと・・・・・・?」
先ほどまでとは違い、威圧感を見せる。
「どういうことだ・・・・・・?」
「お前は雑魚だ。お前は本当は強くないだろ?それをイメージでカバーしている。だからお前はそんな満身創痍の姿なんだ」
「・・・・・・そこまで言うってことは、お前は相当強いんだろうな!!」
男は走り出す。
そして俺の目の前に到達した。
「くらえ!」
男は足を突き出す。
目には見えない速度だったが、なんとなくそれっぽいところを掴んだ。
足に手が当たる。
だが結局掴む事も出来ずに俺の体は投げ出された。
「死ね」
その先には剣山が作られている。
「・・・・・・」
俺は黙ってその剣山に向かって左手を突き出した。
剣山にまず、左手が刺さる。
「・・・・・・」
その瞬間に剣山は形を変えた。
剣山はただの大きな剣に変わる。
「な・・・・・・」
男は驚きを隠せない。そりゃあそうだ。自分の世界の中で自分の思い通りになっていない男が目の前に居るのだから。
「・・・・・・ってな」
やはりこういう・・・・・・なんだろう。語り部?だったか。ソレは俺には向いていそうではない。
「お前・・・・・・何なんだよ!!」
「慌て過ぎだぜ?だが、嫌いじゃないぜ?その焦燥感」
俺は巨大な剣を構えた。
「お前は考えてしまった事を現実にする。だったら、1つ試してみたいな」
「・・・・・・」
「もし自分が死ぬことを想像したら、お前はどうなるんだろうな?」
「は・・・・・・はぁ!?」
「この大剣はお前の世界観にあるものだ。つまりお前の想像。それでお前が殺されるわけ無いよな?」
「・・・・・・!!」
焦りを見せる。
ちなみにこれは俺のハッタリ。
失敗する事を前提としたようなやり方だ。
さぁて・・・・・・王城の坊っちゃんのようなスマートじゃないやり方で勝つ少年の力を見せようか。
俺は剣を投げ飛ばした。
剣は途中で消えた。
しかし男は出血して倒れていた。
「・・・・・・まとめに続きをたしておかないと」
正義の対義語である意義。
それは自らが存在している意味だ。意味とは自分の考えだ。
考えは想像。想像は自分を守るための鎧であり、自分を傷つける毒だ。そして、他人を殺すための道具だ。
どう活用するか。それが一番大事なのだと思う。