表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紡がれ行くあの過去  作者: 榊屋
第二章 突然が当然のこの世界
61/81

27-Support Port-


「隼人!!」

 俺は隼人を呼ぶ。

「どうかしたのか、ソウメイく――」

「更級はこの部屋に居る!消えてるんだ!」

「消えてる!?何言って――」

 隼人の動きが止まる。

「お前・・・・・・何時からそこに居た!」

「隼人・・・・・・?」

 まさか――。

「おお。良かったな。2人とも俺の存在が見えるぞ」

 更級が現れた。

「どうなってるんだ、ソウメイ君!」

「コイツの力だ!アンノウン・スポットだって言ってた!」

 その瞬間、また更級が消えた。

「・・・・・・そういうことかよ!僕の一番苦手な相手だ!」

 そう言って隼人は身構える。

 そうか。

 隼人は基本的に不思議がらない。この能力だって知っているから。

「くッ・・・・・・見えなくなった!」

 隼人はそう言って、周りを見渡す。


「心配するな」

 更級はまた現れる。

「お前らが俺達の姿を知りたいと思えば俺は現れ、見た瞬間に消える」

 そう言って更級はさらに消える。

「どうする、隼人」

 俺は隼人と背中合わせになる。

「相手が1人だけど、まるで囲まれたかのスタイルだね」

 隼人が言うと、更級が現れた。

「おいおい、しっかりしてくれよ、会話だってしにくいじゃな――」

 更級は会話の途中で消える。

「マジでどうすんだ!これ!」

「どうにもならない。だから」

 更級が現れた。

 同時に隼人はそっちに飛んだ。

「一気に勝負を決める!」

 言ったが早いか、拳を固めて、更級に向かって振るった。

「残念」

 更級は言って、隼人の拳を受け止める。

「運動神経だってバカにはならないぜ?」

 言った瞬間消えた。

「うぉっと・・・・・・」

 隼人はバランスを崩す。

 言っていた。

 触れられない。しかし


 衝撃は受ける。


「がッ・・・・・・!」

 隼人が何らかの攻撃を受けて、こちらに吹っ飛ぶ。

「おい、これって・・・・・・」

「攻撃を避ける事は出来ない。しかも相手と触れると触れた感覚はないのにダメージだけ食らう」

 隼人はそう言って、苦笑した。

「どうすればいいんだ・・・・・・」

「諦めろ」

 更級は言った。

「俺達に協力しろ。今ならいつでも迎え入れてやる」

 現れては消える。

「・・・・・・そんなことするぐらいなら死んだほうがマシだ・・・・・・!!」

「じゃあ死ね」

 更級は俺達の後ろに現れた。

 目の前には拳。


 間に合わない。


「!?」

 が、更級の体は吹っ飛んだ。

「おいおい・・・・・・俺を放って何してんだ?」

 そこには男が1人居た。


 リーゼントで、白い長ランの後ろには『暮射』と二文字。

 そして男はバイクにまたがって部屋の中にいた。

 もう心当たりは1人しかいない。


「・・・・・・東先輩・・・・・・!」

「ピンチっぽいな・・・・・・けど」

 東先輩は笑った。

 そしてバイクから降りて、俺たちと更級の間に立った。

「後は任せろ」

 そう言って両手を広げた。


 その背中はとても大きかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ