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紡がれ行くあの過去  作者: 榊屋
第二章 突然が当然のこの世界
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21-Brain Braking-

 『神道』が言っていた場所を訪れた。

 『中央街の10階建て以上のビルが立ち並ぶ場所』に、確かにその建物は有ったのだが。


 その建物は目には見えなかった。

 見ていなかった、見えなかった、視線に入っていなかった、消えていた、脳が勘違いしていた・・・・・・等々、色々表現は可能だった。


「アジトごと隠してるのかよ・・・・・・」

「まぁ、あの能力はそういうの専門の能力だから。そもそも戦闘に向いていないってのは本当だよ」

 建物の正面にようやく立つ事が出来て、隼人は少し疲れた調子で言った。

「思ったより高い建物じゃなかったな」

 建物は3階建くらいの一軒家とも取れるようなものだった。

 ていうか、これ普通に自宅とかじゃねーの?

「お坊っちゃんが相手だろ?このくらい当然じゃないか?」

 と、隼人は言った。

「そういやそうだったな」

「色々と混沌としているからね・・・・・・」

「・・・・・・あれ?」

 待てよ。

 この犯人の情報を集めていこう。

 ①シンデレラと呼ばれる連中の模倣犯

 ②快楽のために殺している

 ③犯罪者のみを殺している

 ④どこかのお坊っちゃんである

 ⑤今日元さんの家族とかかわりがある

 ⑥アクターである

 ⑦グループである

「・・・・・・・隼人」

「どうした?」

「訳が分からない」

「・・・・・・OK。任せてくれ」

 そう言って隼人は笑った。

 犯人のアジトの前で何やってるんだ。


「シンデレラの基本姿勢、犯罪者を殺す・・・・・・。その主軸を守り、犯罪者を殺している。これは恐らく間違いないだろう。模倣犯だからその姿勢を崩すわけには行かないよね」

「だな」

「でも、その犯罪者を殺すという行動が彼らにとっては快楽でしかない」

「・・・・・・」

「思うことはあるだろうけれど、まあ気にしないで置こう」

 隼人はそう言って話を続ける。

「アクターであることはまず間違いない。それも1人以上だということも分かっている。アクターの数人グループだってこと」

「そして兵力は多いようだ」

「ココまでで大体纏まった・・・・・・。となれば、犯人は今日元さんのどういう立場の人間なのか、ということになる」

「そうだな」

「で、僕は王城グループだ。今日元さんの家のことは調べるまでもなく知っているのさ。じつは初めてであったときから、その辺の事は気づいていた」

 そう言って隼人は得意げな顔をする。


「犯人は今日元さんの弟だ」

「弟!?」

「動機はそれこそ快楽と犯罪者を殺すことだけを考えているのだろう。今日元さんの父親は自らの娘を犠牲にして息子を守ったわけだ」

「それが親のやることなのかよ・・・・・・」

「怒りの矛先は敵に向けてくれよ、僕ではなくて――」

 隼人の視線が強張った。

 目の前に男が現れたのだ。


「よぉ」

「・・・・・・なんですか?」

「お前の話の中心人物だよ」

「・・・・・・何のようですか?」

「用があるのはお前らだろ?」

 まぁいいや。

 と、男は言う。

 そしてこう続けた。


「王城隼人、嘉島奏明・・・・・・貴様らを歓迎してやるよ」

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