14-Flag Falcon-
家に帰ってきた隼人に奴らの話をした。
「そんな事だろうと思っていたよ。僕も違和感を感じていたところだ」
隼人はそう言って、ソファに座った。
あの後、取り敢えず東先輩を家につれて帰って、応急処置をした。
そして隼人は帰ってきて言ったのだった。
「違和感?」
「そ。違和感」
「・・・・・・どんな?」
「話すと長くなるけど」
といいつつも得意げな顔をして彼は言う。
「僕たちが殺人現場を歩き回っていた時に出会った謎の連中は、集団行動で、しかもアクターを理解していたうえで行動していたように思う。対して如月たちはアクターのことは知らないし、集団で行動しているような様子も無い・・・・・・んだろ?」
「ああ。あの5人で『シンデレラ』と名乗っていたのだから、恐らくそういうことだな」
東先輩が代わりに答える。
「つまりは模倣犯・・・・・・ということだろう」
隼人はそう言って、
「急いでココを出るよ」
と続けた。
「何で?」
「この家が最悪、破壊されるかもしれない以上、このまま居るわけには行かない。模倣犯側はどうも、兵力と武力が優れているようだからね」
「で、どうするんだよ」
「まずは警察署だ。あそこなら模倣犯たちも狙ってはこれない。話をして龍兵衛さんに入れてもらおう」
「俺も入れてもらえんのか?言っても暴走族だぜ?」
「分からない。でも今は時間が無い。早めに行動しておく事が大事になってくる」
隼人は言いながら自分の部屋へと歩き出す。
「アイツは行動が早いな・・・・・・」
「誰よりも早い行動・思考をする人。で、『隼』のような『人』だからな」
「なるほど・・・・・・」
東先輩は笑うと、玄関に向かって歩き始めた。
「さてと・・・・・・」
これからの行動に身を任せる前に、俺なりに考えておこう。
東先輩の情報は、如月のことから間違いだったと推測した。
しかし、あの情報がもしも模倣犯のみのじょうほうだったとすれば、あながち間違いではなかったということになる。
と、いうことは、だ。
犯人はガキで、恐らく金持ち属性の人間だな。さらにアクターである可能性が高いわけだ。となればそれは俺と隼人の出番であるってことか。龍兵衛さんに丸投げして、俺達はのんびり過ごすことも難しい。そもそもその気になれば犯人達は警察署だって破壊しかねない。
まあ、目の前に困った人が居る以上、俺が動く理由になる。
動かないわけには行かないよな。
「ソウメイ君」
隼人はそう言って、リビングに顔を出す。
「Are you ready?」
「OK,let's go!」
今宵は誰を助けるのか・・・・・・。
『隼』の背中に乗って、頑張るとするか。