表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紡がれ行くあの過去  作者: 榊屋
第二章 突然が当然のこの世界
46/81

12-Acter After-

「うわ!」

 俺の反応速度を上回る速度で、如月はナイフを突きつけてきた。

「避けるなぁ・・・・・・」

「こっちも死にたくないんだよ!」

 俺は叫んだ。

「僕のナイフを避けたのはこの世で・・・・・・・・・・・・うん、まぁ数多く居るよ」

「何だよ!じゃあ言うな――」

 ナイフが更に俺を狙ってくる。今度はどうやら、首を狙って斜めに切りかかってきているようだ。

「人の発言は最後まで聞け!」

「僕はそんなことには興味は無い。君の力に興味があるんだ」

 如月はそう言って、笑った。

「何なんだよ!」

 いい加減避けるだけでは何とかならないと思い、俺も武器を調達する事にした。

「作るから待ってろ!」

 俺はそう叫んで、ブロック塀を左手で叩く。

 ブロック塀の一部が形を変え、ナイフと同型の形をする。

「こっちは本物。そっちは石だぜ?」

「だからなんだ。量産型だぜ。しかも大きさだって変えれる」

「ああそうですか」

 如月は躊躇なく、ナイフを投げた。

「はぁ!?」

 唯一の武器を投げるなんて・・・・・・どうかしてる!!

 それでも俺は思わず避けるしかなかった。

「だろうな」

 そのとき如月は既に目の前に居て、拳は俺の目前まで迫っていた。

「やば――」

 俺はその状況から、上半身だけ倒して拳を避ける。

 あ。しまった。

「隙だらけだ」

 如月はそう言ってその状態から俺の体を蹴り飛ばした。

 俺の体はボールのように1回跳ねてから地面に倒れこむ。

「強ェ・・・・・・!!」

 コイツただの人間だ・・・・・・よな?

「お前・・・・・・アクターなのか?」

「アクター?英語の授業の話か?悪いけど、僕は高校は通ってないんでね」

 冗談を言っているような風潮ではなく、恐らくマジだ。

 てことは違うのか・・・・・・?

「ああ、もしかして先の妙な能力が、そのアクターって奴だな?」

「・・・・・・心当たりは?」

「あるぜ」

 如月はそう言ってナイフを持った。先ほど投げたナイフだ。

「殺すことだ」

 如月はそう言った。


 発言の真意は分からないし、殺人鬼なのだからそのくらいは当然だろうと・・・・・・。

 だがしかし。


 明らかな殺意。そして俺自身の感覚。

 それらから分かる。

「これは・・・・・・アクターじゃない」

 純粋な殺意。作り物じゃない殺意。

 殺すことだけなら何にでも長けている。

 そんな殺意。

 何なんだ・・・・・・コイツは!!


「何だよ、なんかやる気なくしたのか?」

 如月はそう言ってナイフをギラつかせる。

「・・・・・・お前が犯人なんだよな?」

「そうだ」

「じゃあ、お前を殴って捕まえてそれで俺の依頼終了だ」

 先手必勝だ。

 俺は如月より早く動く。

 如月も俺の動きをみて動き始めた。


 ナイフ同士が衝突した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ