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紡がれ行くあの過去  作者: 榊屋
第二章 突然が当然のこの世界
43/81

09-Man Mankind-

 題名は本当に意味不明。


 ていうか、意味があった題名がひとつも無い。

 次の日。

 昨日の内にほとんど殺人現場を全て回り終えたので、今回の事件の犯人が捕まったらしい場所に行った。

 路地裏のようで、3階建てくらいの建物が数多く立ち並んでいる。

「ここで最後の死体が見つかったらしい」

「つまり、最後の人間を殺した直後に警察に捕まったわけだ」

「正確には『そう思われてしまった』んだけど」

 そう言って隼人は、現場へと少しずつ歩を進ませる。







「そこまでだ」





 後ろから、何者かがそう言って俺達2人の頭部に『何か』を突きつけた。

「まだ関わろうとするのか」

 声は言うほど渋くない。恐らくまだ高校生程度の年齢だろう。

 つまり、あの謎の少年の関係者という事になる・・・・・・。

「貴様らが関わるのは自由だ・・・・・・と、言いたいところだが、そうもいかない」

「・・・・・・」

「俺達の計画は、犯罪者を根絶やしにすることだ。その邪魔をする輩は、何者であれ容赦はしない・・・・・・が」

 男はそう言って言葉を止める。

「その齢なら恐らく、中学3年生といったところだろう。卒業に意味がある年齢だ」

 どういう意味だ・・・・・・?

「命は助けてやる。事情を話せ。今、この状態で」

「貴方が何者か分からない以上、話すわけにはいきません」

「話さなければ、答えは一緒だ」

「なら話しても一緒ですよね?」

「余計な事で俺の気を紛らわせ、隙を狙おうという手段なら防いでいる。今、この路地裏を挟んでいる建物の上には、世にも珍しい忍者とその『眼』が居る」

 忍者・・・・・・そして、眼・・・・・・?

 アクターなのか・・・・・・?いや、そんなことを考えている場合ではない。

 どうするんだ・・・・・・隼人・・・・・・。

「・・・・・・僕と同じくらいの頭脳の持ち主のようで」

「貴様の頭がどの程度か分からんが、こういう修羅場は卒業式で経験しているのでな」

 男はそう言って笑った。

「僕らは、あなた方が庇おうとしている人間の所為で代わりに捕まってしまった人を助けるために調査しています。ですから、あなた方が庇おうとしている人が、さっさと自首していただければ、とても助かるんですよ」

「なるほど。事情は理解した。ならば、事件が終わっていないことをしっかりと伝え、その濡れ衣を着せせられた奴にある程度の自由をやろう。俺は警察関係者にも顔が利くのでな」

 そう言って、男は

「しかし、解放はしない」

 と続けた。

「俺達も、相手が解放されないほうが行動しやすいのは当然だ。社会は犯人が捕まったと油断して、無秩序に戻るはずだからな」

「・・・・・・じゃあ、あなた方を全員捕まえるしかないですね」

「それは一生無理だ。諦めろ」

 そう言って、男は銃で俺達の後頭部を殴り、倒れた体を更に腕で押さえつけた。

「俺達は、絶対に捕まらない」

 それだけ言って、男は身を翻して去っていった。


「どうなってるんだ・・・・・・?」

「コレは、やはり1度あの人のところへ行ってみるしかないね」

「あの人?」

 俺は聞き返した。

「決まってるだろ?龍兵衛さんだよ」

「ああ・・・・・・。なるほどね」

「行こう。この事件・・・・・・何かおかしい」

 そう言って隼人は立ち上がり路地裏から出て行く。俺もその背中を追って、路地裏から出た。


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