表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紡がれ行くあの過去  作者: 榊屋
第二章 突然が当然のこの世界
42/81

08-Kill Skill-

 題名は、殺す能力ですが。


 意味が分かるのは、極少数でしょう。


 僕の思いが通じるのか!!

 家について、俺はキッチンに立った。そして夕食を作り始めた。

「これで、東先輩達は守られたんだろうか」

 俺はそう言って、東先輩達が居る建物の方向を見やる。

「さぁ・・・・・・。必ずしも大丈夫とは限らない・・・・・・。もしかしたら、僕らの行動の意味がばれているかもしれない」

「ていうか、わざわざ殴った意味はあったのか?」

「そう。そこがポイントだ」

 隼人はそう言って、食卓テーブルの自分の席に座った。

 俺はそこにハンバーグプレートを置いた。

 そして、自分も着席して、

「どういうことだ?」

 と尋ねた。

「あれによって、実は僕らの命も永らえているんだよ」

「・・・・・・?」

「ああやって殴れば、僕たちは東先輩に頼まれて行動をして、挙句、仲間割れしたようにも見える」

「・・・・・・待てよ!それじゃあ――」

「そう。危険が及ぶのは東先輩の方になるだろう」

 隼人は冷静にそう言って、ハンバーグを口に入れた。

「・・・・・・その言い方じゃ、策がありそうだな」

「そう。奴らから見れば、『僕ら』と『義賊』のどちらが敵なのか分かりにくくなっている。この錯乱状態なら、今日の内はまだ行動できないはずだ」

「けど、行動してくるかもしれないぜ?」

「だから、東先輩には警戒するように伝えた」

「どうやって?」

「僕らがつまみ出される時に、子分さんの1人にメモを握らせておいたのさ。念のために作っておいたメモを、ね」

 そう言って隼人はニヤリと笑った。

 ・・・・・・相変わらず、やることなすこと先読みだなぁ、コイツは。

「それで?これからどうするつもりなんだよ」

「さっきも言ったとおり、恐らく奴らは今日は攻撃してこれないはずだから、僕らが明日、朝一で仕掛ける」

「・・・・・・なるほど。そうすれば、向こうの狙いは俺らだけに定まるわけだ」

「そーいうこと」

 そして隼人は、どんどん食べ物を口に入れていく。


「ところで、犯人が殺した奴らが一体どんな奴だったのかについて調べてみた」

「ほぉ。で?どうだった?」

「全員犯罪者だ」

「・・・・・・え」

 どういうことだ?

 犯人は快楽のために殺していたんじゃ・・・・・・。

「もちろんそれだけじゃなかった。だけど犯罪者が多数を占めていたね。ああ、でも濡れ衣を着せられた人の時は犯罪者じゃなかったらしい」

「なるほど・・・・・・」

 納得した瞬間だった。

 何故か、思い出した。


 この間出会った少年・・・・・・。

 あの少年が・・・・・・もしかしたら・・・・・・。


 突然そう思ったが隼人には言わなかった。

 理由は分からない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ