04-Count Encount-
題名は実は適当です。
韻を踏んでるだけ。
猫探しと身辺調査を終え、尾行を隼人に任せて、先に帰宅した。もうすぐ終わるらしい。
「死ぬ・・・・・・」
夏場、夜が近づいてくると、熱気の強さが増す気がする。恐らく少し前までの夜の涼しさと比べてしまう所為ではないだろうか。
「お疲れー」
その言葉は俺に当てられたものかと思い顔を上げたが、部活帰りの少女たちの会話だった。誰かに、お疲れ、などといわれる事は滅多に無いので、羨ましいような気がする――いや。
ココ最近、隼人には言われまくっている。
女子に言われたいという心も奥底にある。
さて。
家の中にいるはずの俺が、何故少女達の話が聞こえているのか・・・・・・。
それは、家という既存の枠にはまるべきではない我々を自己表現するために――――。
はい、嘘。
アイツが家の鍵を所持しているために、僕は外で待つ以外の方法がないのだ。
「くっそ・・・・・・・」
そう呟いてから、僕は玄関から庭に移動した。
天然芝で気持ちのいい庭だ。
アイツが帰ってくるまで、睡眠と行こう。
俺は寝転がった。
「起きたまえよ」
隼人は偉そうにそう言って、俺を起こした。
「・・・・・・」
「まぁ鍵を持っていたままだった僕も悪かったけど、こんなところで寝たら風邪引くぜ?」
「・・・・・・バカは風邪ひかないから・・・・・・」
「夏風邪ならバカが引くんだぜ?」
「バカを否定しろ」
雑談をしてから、俺は立ち上がり、家の中に入る。
「これで粗方、解決できたのか?」
「粗方っていうか、全部」
「あっそ」
「で、ちょっと気になる事件があった」
「・・・・・・?」
そう言って、隼人は夕食を作り始めた。不器用なので俺も手伝う。
「この間あった、殺人鬼の事件」
「うん」
「僕の予想が正しければ、犯人は別に居る」
「は・・・・・・?」
パリン!
皿一枚割れた。
「え・・・・・・あれ?」
「別に捕まった人と会ったわけでもないし、龍兵衛さんに聞いたわけじゃないけど、どうもおかしい・・・・・・」
「おかしいって・・・・・何が?」
「それは――」
ピーンポーン。
というチャイムによって、その声は遮られた。
「・・・・・・ちょっと出てくるよ」
そう言って、隼人は出て行く。
俺は割れた皿の破片を集めて、キッチンに置く。
さて。
隼人はどうなったのだろう?時間が掛かっているという事は、お客さんだったはず・・・・・・。
よく耳を済ませると、大きなエンジン音がする。しかもかなりの台数分・・・・・・。
俺は扉を開けて、玄関を見た。
「だーかーらーよー!」
リーゼント・・・・・・。暴走族・・・・・・?
「お前、探偵なんだろ?叶えてくれって!!」
「あなた義賊でしょう?自分でやってくださいよ」
少しいざこざってるようだ。俺は離れたほうがいいだろうか・・・・・・。
あれ?あのリーゼント・・・・・・。
「あ」
思わず、俺は口を開いた。
「ん?」
そう言って、こちらを見たリーゼント。
「ああ、いつぞやの後輩じゃねーか!!」
「どうも・・・・・・」
この人・・・・・・隼人と出会った日に、ケンカに割って入ってきた人だ・・・・・・。
「えっと、何のようですか?」
「依頼だよ、依頼」
「ハァ・・・・・・」
「っと、名乗ってなかったか?」
そう言って、見せた彼の後方には。
十数人の暴走族とバイクが有った。
「今、義賊を名乗っている、そこの総長の、東諒だ」
平和終了。
俺の中でそんな声がした気がした。