02-Sky Lie-
・・・・・・。
こんな物語の予定じゃなかった。
気分で書いているからかな?
次の日。
昨日隼人と話したとおりに、俺は学校へ向かった。
だがしかし、俺のキャラというものがあるので、俺は隼人より早く起きて、一緒に行くことはせず、学校に向かった。
日差しは良好。先ほどまで雨が降っていたらしいが、今は既に晴れ、水溜りもそこまで気にならないくらいになっている。しかし、夏の日差しによって気化されたその水分のおかげで、蒸し暑くなってきている。8月の気温の高さを身にしみて感じる。
(隼人の)家から学校まではそんなに時間は掛からないが、なんとなく走って学校に向かった。
学校についてからは、取り敢えずさっさと荷物を机の上において、開放されていない学校の屋上の扉へ向かう。
扉のドアノブには『R』と書かれたプレートが掛けられていた。『R』は『Rest』の略で、『使用していません』という意味。俺はその扉を開けて、プレートをひっくり返した。プレートは『W』で『Work』の略で『使用中』という意味だ。基本的に、プレートが『W』の時は、招待客以外は屋上を使用してはいけない。
俺がココに来てすることは基本的に、空を見上げる事だ。
何故だろうか。ココに来ると、気分がどうしても空へ向く。学校という空間に置いて、屋上以外に空を見上げられなくなってしまうからだろうか。
さてと・・・・・・。どうも俺は自分騙りのようなのは苦手なようだ。だから、俺は飽くまでも語り部なのだと思う。
「・・・・・・」
夏休みに入ってから、色々な事に巻き込まれているような気がする。描写はしなかったが、いろいろなことを手伝わされていたりする。
猫探しから落し物探し。おとり捜査や尾行までいろいろ・・・・・・。
それもこれも隼人の所為ではあるのだが、それでもいい経験だったりもする。
何より、王城グループの御曹司が土に汚れながら、必死に誰かのために頑張っている姿を見ると、ああ、コイツは気取っていない奴なんだな、と考えたりする。
隼人という人間を俺は恐らく誰よりも知っている。以前は同じクラスであるということも知らなかったくらいだが、今では誰も知らない隼人の姿を俺は知っているわけだ。
そこで。
コンコン、と。
扉を叩く音がした。
来訪者あり・・・・・・か?だが、俺も今すぐ出て行けばいいだけの話。
そう思って扉を開けてから、見た。
「・・・・・・!?」
何だ・・・・・・コイツ・・・・・・!?右手にナイフを持ち、血が滴っている。体中に怪我をしているが、昨日今日でついた傷ではない・・・・・・。
違和感がする。
「お前、誰?」
少年はそう言った。
無関心そうだった。
「・・・・・・嘉島」
「あっそ。お邪魔します」
そのまま通り過ぎていった。
そして俺と同じスタイルで空を見上げる。
恐らく同い年だが、見覚えが無い。俺の記憶に無いだけかもしれないけれど、いくら何でもこんな強烈なキャラクターは忘れない。
不審者か・・・・・・?
だとすれば本来先生に連絡しないといけないけれど・・・・・・。
それでも、まぁいいや、と深く追求はしなかった。
それからクラスに戻り、椅子に座り、時が過ぎ去るのを待つ。
ああ、今日も俺の日々は守られているのならばそれでいい――――。
「ソウメイ君」
俺の平和を脅かす。
その正体は果たして・・・・・・いや、分かってるけど。
俺はその男の姿を見上げた。
「・・・・・・」
「忘れ物してたよ。しっかりしたまえ」
全く・・・・・・。
教室に揃っていた大半の生徒が、俺と隼人の異色を見る。
俺のキャラが崩れていく。
ああ・・・・・・。