表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紡がれ行くあの過去  作者: 榊屋
第一章 始まり始まり、この世界
33/81

33-訳-


 第一章 最終話でーす。

 隼人は驚いた後、少し落ち着きを取り戻して、もう一度

「どうして分かったんだ?」

 と言った。

「俺は、言っても心を読む力といっても過言じゃない。お前がどうしてここまで俺にかかわっているのかが分からなかったからな。俺は全力を心を読むことに注いでみた」

「・・・・・・」

「もう一度伝えとくぜ?俺は、俺の夢を叶えるためにも、お前の仲間にはならない」

 俺はそう言って、隼人を突き放す。

 しかし、隼人は

「どうしてそうなるんだ?」

 と更に問いただしてくる。

「僕の仲間になること・・・・・・それがどうして君の夢を叶える妨げになるんだ?」

「・・・・・・俺の母さんは」

 そう言って、俺は俺の過去を紡ぐ。


「俺の母さんは父が失踪して、しばらく、体調を崩した。その上に、姉さんの長期入院且つ、治療方法も分からないと来たもんだ。母さんは病んだよ。そして、自殺まで追い込まれた」

「・・・・・・!」

「だから、母さんを傷付けるわけには行かない・・・・・・。俺だって、『家族』だ。だから、母さんを・・・・・・家族全員を守るためにも、俺は死ぬわけには行かない。姉さんとの唯一のつながりも、俺だけだしな」

「・・・・・・」

「俺がお前と仲間になったら、俺は死ぬかもしれない」

 少なくとも、今日の実情を見た限りでは、な。

 と、俺は続けた。

 そして隼人を見る。

「なるほどね・・・・・・」

 そう言って隼人は、納得したようにソファーにふんぞり返る。

 そして、ハッ、と笑った。

「何だよ・・・・・・」

「それだけじゃないね。君は、もっと抱えているんだろ?」

「・・・・・・」

「僕が言ってあげようか?」

 そう言って隼人は立ち上がり、前にあった机の上に腰を低くして座り、俺の頭を掴んだ。


「君がもし死んだ時・・・・・・僕が心に傷を受けるのを、恐がっている」

「!」

「図星か」

 そう言って隼人は元の席に戻りながら言う。

「君は優しいね・・・・・・。思わず笑ってしまうほどの優しさだ」

「・・・・・・」

「言っておくけど、僕にそんな優しさはいらないぜ?」

 隼人はそう言って、急に真面目な顔に戻った。

「僕は何人もの人を犠牲にして今を作っている」

「だけど、仲間になったときは、人の重みは変わってくる」

「・・・・・・なるほど。それはそうかもしれない」

 隼人が自らそう言った後、何かを思いついたかのような表情をすると、

「OK、僕らは仲間にはならない」

「ああ」

「だから、僕は君を利用する」

「・・・・・・は?」

「契約内容はこうだ。君は、僕の夢をかなえるために全力で僕をサポートする事」

「おま・・・・・・!何言ってんだ!」

 俺は思わず立ち上がる。

「そんな契約のめるわけねーだろ!」

「代わりに」

 隼人はそう言って人差し指を出した。

「僕は、君を含めた全ての家族を守ることに協力しよう」

「・・・・・・!」

「当然、僕は君の夢をかなえるためにも、君の命が危ない事までやらせようとはしない。君も自分の命を最優先にしてくれ」

「・・・・・・」

 何だ、コイツ。

「ハハ!!」

「な、何笑ってるんだ、ソウメイ君」

 コイツ・・・・・・面白い!

「いいぜ!了解だ。俺はお前を利用する!俺はお前に全面的に協力する代わりに、お前は俺と俺の家族を守れ!」

「な・・・・・・なんかよく分からないけど・・・・・・」

 そう言って、隼人は右手を出す。

「・・・・・・」

 俺は、黙って右手を振りかぶって、その右手へと持っていく。


 パチン!

 と大きな音を立てて、右手と右手が重なり合う。


「「よろしく!!」」


 同時にそう言って俺達は『契約』を完成させた。


 後日談もあるよ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ