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紡がれ行くあの過去  作者: 榊屋
第一章 始まり始まり、この世界
32/81

32-俺の夢-

 今回は若干短いです。


 すみません。


「俺の夢・・・・・・か」

 自分でそう呟いて、思考を開始するように促す。


 結果。

 正直に言うべきだろうと判断した。

「俺には、お前も知っている通り、姉がいる。姉の病状ははっきり言って最悪だ」

「・・・・・・」

 隼人は黙って、話を聞いている。まあ、茶々入れられたら話しにくいし、都合のいいことではある。

「隼人は、『嘉島家族』を知っているか?」

「・・・・・・知らない」

「だろうな。じゃあ『嘉島 響』は?」

「・・・・・・知らない」

「それもそうだろう。しかし、これらは全て検索すれば、トップに出るくらいの有名な人たちだ。お前は、これらを忘れているんだよ」

「・・・・・・どういうことだ?」

 隼人は、そう言って俺を改めて見つめる。


「俺の姉の・・・・・・恐らく、アクターだろう。その力は『人々の記憶を混沌させる』こと。結果的には全員、誰も俺の姉を知らないという状況になる」

「・・・・・・」

「俺の家系は、そういう『記憶』に関係する何かを持っている」

 そこまで言って、隼人を見る。不思議そうな顔をしている。

「で、何で俺がこんな話をしたのか・・・・・・だよな?」

「そう。驚きの内容だったけれど、それが君の夢とどう関わっているんだ?」

「俺の夢は『家族を守ること』だ」

 俺の発言を隼人は相変わらず不思議そうに訊く。

「俺の父さんは、ある美術品を持って失踪した」

「美術品・・・・・・?」

「どうせ知らないっつーか、忘れているからいいよ。でも、バイオリンらしい」

「バイオリン・・・・・・?」

「そ。それで、そのバイオリンを手に入れるために、皆、俺達家族を狙っていた。それを守るために、姉さんは、自分の能力を使って、家族全員とバイオリンの存在を隠したんだ。その代償として、今、姉さんはあの状況なのさ」

 そこまで俺が話して、改めて隼人を見た。


「俺は、家族全員を守りたい」

「・・・・・・」

「だから、俺はお前の仲間になるような余裕は無いぜ」

 俺はそう言って、隼人を睨む。

 それを訊いた隼人は目を丸く見開いて言った。




「どうして分かった?」



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