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紡がれ行くあの過去  作者: 榊屋
第一章 始まり始まり、この世界
25/81

25-走れ『▲▲▲』-

 ↓都合上。

 雷が激しい音を立てて地面へ落下する。

「追撃開始」

 双葉さんがまるで指令するように言って、手を前に突き出した。

 その行動によって、雷があらゆる方向から襲ってくる。

 それらを2人ともバラバラにメチャクチャにランダムに動く事で狙いを定められないようにする。

「狙っているのは双葉さんだ。雷に意志があるわけじゃない。アンタに僕らの動きの全て見えないだろ?」

「チッ・・・・・・」

 雷を全て放ち終えた双葉さんは舌打ちをして、突き出していた手を戻した。

 ふと、雷の落ちた場所を見てみる。そこにはスタンガンが落ちていた。静かに稼動して、雷を帯びている。

「変換攻撃後は戻るらしいね」

 隼人は言いながら双葉さんの方へと走っていく。

「俺に近づくのは無理だ」

 そう言って双葉さんは炎を投げ飛ばす。発射ではなく、飛んでいっている。ダイの大冒険での『メラ投げ』のようなものか。狙いは隼人。

「速くないなら・・・・・・」

 隼人は言って、地面を強く蹴った。

「避けられる!!」

 叫んで隼人は跳躍という方法で炎をかわす。

 それを見て双葉さんは


「阿呆が」


 言った。

 炎が隼人を追うように動く。

「隼人!」

「!?」

 俺の叫びでようやく隼人は気付いた。

「くっそ!」

 言って、着地後の勢いそのまま、地を転がって炎との距離を引き離す。

 炎は宙をふわりと浮かんで、双葉さんの元へと戻る。

「物を投げるタイプの能力者は、その物体を操れる・・・・・・マンガでも何でもそういう風に相場は決まってるだろう?」

 双葉さんはそう言って笑う。

「てことは・・・・・・貴方の倒し方は、貴方が投げた物体を貴方にぶつける方法ですかね?」

「いや、それは出来ない。俺に当るような事になれば、そこで消え去るようになっている」

「面倒ですね・・・・・・じゃ、このまま続けようか」

 隼人は言って尚も走る。

「動きを止めてやろうか・・・・・・」

 双葉さんは笑顔を消すと、右手を突き出した。

「一斉攻撃。避けられたら戻って来い」

 全ての浮いていた物体が隼人へ突っ込む。

「・・・・・・!」

 隼人は急に体を止めて、俺の方へと走ってくる。

「あと宜しく」

「はぁ!?」

 突然の行為。ビックリマーク2、3個。


 咄嗟に左手地面に突き出して、壁を作る。

「これだけ全部は受け止められないぞ!」

「しばらく頼む」

 そう言って隼人は襲ってくる猛威の中にもう一度走っていった。


 くっそ・・・・・・。

 隼人の言っている意味が分からない・・・・・・。アイツが最後に落とすものなんか分かるわけ無いだろうに・・・・・・。

「・・・・・・落とすもの・・・・・・」

 待てよ。

 いや、もしそうだとしたら・・・・・・。

 隼人・・・・・・お前の考え方は横暴な『王』だ。さしずめ暴君ディオニスだ。じゃあ俺はソイツのために走っているメロス・・・・・・。

 てことは、後はセリヌンティウスだけだな。

 俺は屋上の入り口の方を見た。

 

 そしてそちらに走る。


 そして扉を左手で破壊して、言った。

「頼みがあります」

 

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