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紡がれ行くあの過去  作者: 榊屋
第一章 始まり始まり、この世界
24/81

24-最後に落とすもの-

 解除されて、屋上の風の強さをようやく始めて感じた。

「……あ」

 見ると、隼人の言った通り、地面が壁になっている。形も俺の思ったとおりの形だ。つまり、あれは間違いなく俺が作った壁ということになる。

 と。

 ドサリ、という音を立てて隼人がへたり込んだ。

「ど、どうした?」

「いや・・・・・・。集中しすぎていた疲労と・・・・・・痛みが最大の原因だね」

「痛み・・・・・・?」

 何の事だろう、と視線を向ける。

「・・・・・・お前・・・・・・顎・・・・・・!」

 顎が赤くはれている。

「折れては無いよ・・・・・・。だけど、痛いね」

「それって、さっきの双葉さんの・・・・・・?」

「ああ、キングダムで受けたダメージは解除したら帰ってくる。仕方ないのさ・・・・・・。それより」

 隼人は言って視線を双葉さんへ向ける。

「向こうもやる気だよ」

「あぁ・・・・・・」

 俺も視線を向ける。

「そうらしいな」

 ライターが数個、スタンガンが数個、ペットボトルが数個、針や何かの金属の先端のようなものが数個浮いていた。

「構えよう」

 隼人は身を低くして構えた。

「・・・・・・行くぞ」

 双葉さんが呟く。

 ライターが炎に、スタンガンが雷に、ペットボトルがバズーカの弾に、金属類は槍へと変化した。


 ・・・・・・なるほど。そうですかそうですか。

 浮いているものを指差してから、俺は隼人を睨む。

「アレはどういうことだ」

「ああ。僕も驚いている。てっきり落とす物・・・・・・ライターを炎にするような『威力』をあげるものだと思っていたよ。まさか物質を変化させてくるとはね」

「『驚いている』じゃねーよ!」

 あっはっはっはっは。と笑いそうなので、取り敢えず隼人に掴みかかってみた。

「アレにどうやって対抗すればいいんですか!?あれだけの数をどう相手にすればいいんですか!?」

「思わず敬語だね」

「いいから答えろよ!」

「分からない。けどどうにかなる。1つだけ考えれば」

 そう言って隼人は人差し指を立てた。目に刺さるかと思った。

「・・・・・・何を考えればいいって言うんだよ」

「最後に落とすもの・・・・・・それを考えればいい」

 そう言って隼人は俺の手を服から離させる。


「仲間割れは終わったか?」

 双葉さんはそう言って余裕の笑みを浮かべる。キャラ変わってらっしゃる。

「何が言いたいのか分からないが、俺が最後に落とすものがお前らに分かるのか?」

 聞こえてらっしゃるようで。

「ま、気にしない方針で」

 と、隼人は茶化しながらも真面目な顔で俺を見る。

 何かを悟れってことか・・・・・・。俺の得意分野でありながら苦手な分野でもある。特に考えなければならないような内容は。

「・・・・・・ま」

 双葉さんはそう言って、

「どうでもいい」

 雷を飛ばしてきた。俺達はその行動の前に回避行動を取っていた。

 さて、勝負もどうやらクライマックスのようで。



 はっは。

 前編ときたら後編と思ったか。

 まさかの中編だ。


 誰が驚いているって自分で驚いているからね?

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